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ミステリの祭典

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図書館の美女
図書館館長ジョーダン・ポティート

作家 ジェフ・アボット
出版日1998年02月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 YMY
(2023/09/21 22:08登録)
のどかな田舎町ミラボーで、犬小屋や道具小屋が次々に爆破されるという事件が起きる。最初は単なるいたずらと思われたが、ジョーダン自身が被害にあって腕を負傷したあたりから、にわかに怪事件の様相を帯び始める。退院したジョーダンの前に一人の美女が現れる。ボストンの出版社に勤めていたころ付き合っていたヤンキー娘のローナ。今は開発会社の社員で、コロラド川沿いに建設するリゾートマンションの用地買収が目的だという。やがて彼女の上司が殺され、さらに地元の不動産業者が爆殺されて、事件の謎が深まっていく。
ユーモラスな語り口と軽妙な会話。捻りのきいたプロットとスピーディーな展開。まさしくコージーな快作である。

No.1 5点
(2021/10/23 13:01登録)
小さな田舎町ミラボーの図書館長ジョーディ・ポティートのシリーズ第2作は、悪戯めいた連続爆弾事件の上に、コンドミニアム建設計画をめぐる2重殺人事件が起こり、というなかなか盛沢山な作品です。殺人事件の真相については、たぶんそうじゃないかなとは思っていましたが、見当が付きやすいことより、その真相をどう明かすかという部分と、爆弾事件との関わり合いについて、どうも釈然としないものもありました。ジョーディの素人探偵ぶりも、行き当たりばったりな感じです。彼の、元恋人と現恋人との間でなんとなく揺れ動く心情はおもしろいとも言えますが、まだるっこしいのも確かです。
なお、訳者あとがきには、ミラボーと言えばアポリネールの詩『ミラボー橋』を真っ先に連想する向きも多いのではないかと書かれていて、でも綴りはどうなんだろうと気になり調べてみたら、同じ綴り(Mirabeau)でした。

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