home

ミステリの祭典

login
The Book―jojo’s bizarre adventure 4th another day

作家 乙一
出版日2007年11月
平均点5.33点
書評数3人

No.3 6点 メルカトル
(2023/03/15 22:47登録)
この町には人殺しが住んでいる―。町の花はフクジュソウ。特産品は牛タンの味噌漬け。一九九四年の国勢調査によると人口は五八七一三人。その町の名前は杜王町。広瀬康一と漫画家・岸辺露伴は、ある日血まみれの猫と遭遇した。後をつけるうち、二人は死体を発見する。それが“本”をめぐる奇怪な事件のはじまりだった…。乙一が渾身の力で描いた『ジョジョの奇妙な冒険』、文庫で登場。
『BOOK』データベースより。

私はこれまで一度も少年向け漫画雑誌というものを買ったことがありません。子供の頃一度だけ母親に買ってもらった少年何とかを読んで、高校野球の漫画が大層面白かった記憶があるくらいですね。では何故今さら『ジョジョの奇妙な冒険』なのかと言えば、単に著者が乙一だったから。
昔友人が貸してくれた週刊少年ジャンプに多分連載され始めたばかりだったのが『ジョジョの奇妙な冒険』で、第一印象は妙にくねくねした絵だなと思ったくらいで、10ページほど読んだけれど面白くなさそうだったので、それ以来全く読む事はありませんでした。私が気に入っていたのは『ゴッドサイダー』でした。

前置きが長くなりましたが、本作は全然乙一らしさが出ていないのが誠に残念です。これなら誰が書いても良かったのではないかと思う程です
話が分散しているし、複数の視点で描かれている為、何処に焦点を置いているのか途中まで判然としません。所々面白いなと感じるシーンがあったり、終盤のバトルではなかなか熱くなれましたので、総合的に判断して6点としました。ただ描き様によってはもっと高得点が狙えた気もします。

余談ですが最後に言いたいのは、又しても煙草臭にしてやられたという事です。どうしたらこれ程の臭いが染み付くのか不思議でなりません。まあどこぞのヘビースモーカーの密閉された部屋に長年放置されたせいだろうとは思いますけどね。この臭いは100年経ってもいや、1000年経っても消えないでしょう。ちなみに読み始めてすぐに気付いて、ゴミ箱に叩き込んでやろうか、それとも即ブックオフ行きにしてやろうかとも思いましたが、我慢して読んだ自分を褒めてあげたいです。110円でしたしね、仕方ないです。購入時点で気付かなかった自分が悪かったと思うしかありません。

No.2 6点 ∠渉
(2014/02/10 16:24登録)
少年時代をジョジョに捧げていた身としては、こんだけやってくれて嬉しい限りですね。ストーリィなんか明快でいいっすね。クレヨンしんちゃんの映画みたいなわかりやすさで感情移入しやすい。まだまだ活字ビギナな身としてはありがたい。
それでいていつものジョジョのテイストとは違うアプローチで書いている。荒木先生が書いてるわけじゃないし、マンガでもないので、普通にジョジョやろうとしてもつまんないし、そもそも無理かも。そういう意味では感服いたしました。そして感謝と敬意(リスペクト)。億泰、仗助お対決シーンは燃えましたね。あっ、ジョジョだ、みたいな。そしてラストの康一君の、殺し文句には、泣けます。
とにかく良い作品でした。しかも荒木先生が良いと言うのなら、下手な文句は言えません笑。

No.1 4点 卑弥呼
(2011/08/18 22:48登録)
ジョジョファンが待ち焦がれすぎて、もはや都市伝説になった乙一ノベル化がやっと実現し、期待して期待しすぎた結果ハードルが上がってしまったのかもしれない。
オリジナルキャラが主人公ですが、キャラクターの造詣もスタンド能力も厨二レベル。
冒頭のミスリードは使い古されていて、呆れる以前に悲しくなりました。
これじゃあ乙一ファンもジョジョファンもがっかり。
これなら普通に仗助を主人公にしたら良かったのに。

3レコード表示中です 書評