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ミステリの祭典

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命に三つの鐘が鳴る Wの悲劇’75
二条実房シリーズ/改題『命に三つの鐘が鳴る 埼玉中央署新任警部補・二条実房』

作家 古野まほろ
出版日2011年05月
平均点5.67点
書評数3人

No.3 6点 ぷちレコード
(2024/11/21 22:10登録)
左翼革命組織の一員だった過去を持つ若きキャリア警察官、二条実房の前に、かつての友人であり革命組織のリーダーである我妻雄人が恋人を殺したと出頭してくる。その自白の裏に見え隠れする不可解な矛盾。彼の真意とはいったい何なのか。真実を追い求め、二条はかつての友に警察官として取り調べに望む。
取調室の中で動機を巡って行われる言質を賭けた壮絶な攻防は圧巻。その聴取を通して二条が警察官として成長していく姿を描いた小説であり、そのセンチメンタルで衝撃的な結末は忘れ難い。

No.2 5点 八二一
(2020/01/10 19:41登録)
過激派の内ゲバをミステリにした勇気に敬意を表します。物的、状況証拠から犯行の動機のみを追う珍しい構成。文体に癖あり。

No.1 6点 虫暮部
(2015/07/28 11:38登録)
 衒学趣味を排して、意外なほど骨太な警察小説。濃密な思いのぶつかり合いが描かれていて読み応えがある。ただ個人的には、結末で明かされる雄人と和歌子の関係にさほど抵抗は感じないので、ホワイダニットとしての衝撃には欠けた。あと東京ディズニーランド行での“差額精算”の手掛かりはわざとらしいというか、その場で未緒ちゃんが気付きそうなものだが。

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