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ミステリの祭典

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四つの終止符

作家 西村京太郎
出版日1964年01月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 8点 斎藤警部
(2015/08/13 14:10登録)
母殺しの容疑で逮捕され、憤死を遂げた聾唖の青年。 その無罪を信じて調査を始めた、交流のあった飲み屋の女。。

この哀しさは沁みる。 義憤を湛え、ほの暗く静かな空気感で進む、美しい物語。

No.1 5点 E-BANKER
(2011/02/08 23:13登録)
作者初期のノン・シリーズ。
昭和40年代前半という時代を反映してか、「社会派」という形容詞がピッタリの作品となっています。
下町のおもちゃ工場で働く佐々木晋一は聾者だった。ある日、心臓病で寝たきりの母親が怪死する。栄養剤から砒素が検出されたとき、容疑は晋一に集中した。すべてが不利な状況で彼は獄中で憤死し、無実を信じた一人のホステスも後を追う。彼をハメたのは一体誰か?
いやぁ・・・読んでて何とも「暗~い」気持ちになりました。
まだまだ日本が貧しかった頃、しかも不治の病を抱えた母親をもつ聾者・・いろいろと考えさせられますね。
途中、聾学校の教師の口から語られる「聾者の真実」が特に重い・・・「耳が聞こえない」ということは「目が見えない」ことよりもつらいことなのだという事実は健常者ではなかなか気付けないことでしょう。
作者の社会派ミステリーといえば、乱歩賞を受賞した「天使の傷跡」が有名ですが、本作も隠れた名作としてもう少し評価されてもいいかと思います。
ただ、ミステリーそのものの出来としては評価しにくいんですよねぇ・・・
というわけで、高い評点をつけるのはちょっと難しいなぁというのが正直な感想になっちゃいます。
(意味深な「タイトル」ですが、まさに、このタイトルどおりの内容)

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