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ミステリの祭典

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愛しき者はすべて去りゆく
探偵パトリック&アンジーシリーズ

作家 デニス・ルヘイン
出版日2001年09月
平均点7.33点
書評数3人

No.3 7点 猫サーカス
(2021/06/04 16:21登録)
私立探偵パトリック&アンジーものの第四作。男女探偵が幼女の失踪事件を捜査する物語というと、誘拐事件をメインにしたサスペンスやロス・マク風の過去にさかのぼる一族の秘密を探る私立探偵小説を想起するでしょうが、作者はどちらにも安易に流れずに独自の世界を形作る。大きな社会問題にもなっている幼児行方不明事件を見据えて、人間性のかけらもない小児愛好家たちのおぞましい犯罪と、子供に対して何の感情を持たぬ無責任な親たちを提示しながら、いかに子供を救済するのかという問題を問いかける。事件をめぐる卓越したプロットもさることながら、この子供の救済をめぐって起きるパトリックとアンジーの葛藤が本書の最大の読みどころでしょう。

No.2 8点 frontsan
(2011/07/02 14:28登録)
パトリック&アンジーシリーズの代表作。とても、考えさせられる作品です。なお、日本では公開されていませんが、「ゴーンベイビーゴーン」という映画にもなっています。(レンタルでは見れるようです)

No.1 7点 kanamori
(2011/01/04 19:08登録)
ボストンの私立探偵パトリック&アンジー・シリーズ。
このシリーズは現在まで5冊邦訳されていますが、1冊おきに出来不出来の波があるような気がする。第4弾の本書が個人的にシリーズ最高傑作だと思います。
毎回テーマは重たい。今作は児童虐待・親権問題を内包した4歳の少女誘拐を扱いながら、プロットを二転三転させて、予想外の着地を見せてくれます。探偵二人の関係にも大きな転機が訪れるという意味でもシリーズの分岐点の作品といえます。

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