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ミステリの祭典

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記録の中の殺人
ミリア&ユリシリーズ

作家 石崎幸二
出版日2010年11月
平均点5.33点
書評数3人

No.3 5点 E-BANKER
(2023/07/23 14:11登録)
作者の初読みとなる本作。なぜ本作を手に取ることになったのかというと・・・分からん!
別に避けてきたわけではないので、たまたま読む機会がなかったということかな。
2010年の発表。

~「女子高生連続殺人事件」・・・201X年9月、五人の女子高校生の遺体が埼玉県山中、産業廃棄物の投棄現場で発見された。被害者の共通点は、生年月日が全員同じだということ。それから四か月後、またも女子高校生の遺体が東京と埼玉の県境にある産廃の現場で見つかった・・・。被害者は同じく五人。全裸のうえ、手足を切断されていた。凶悪な犯行に世間はパニック! 犯人の次なる狙いはなにか?~

上の紹介文だけ読んでると、「ミッシング・リンク」がテーマの連続猟奇殺人事件で、フーダニットを主体にしたトリッキーな作品かな?という先入観を持ってしまう。
それは、ただの先入観です。実際は大きく異なってます。
作品の舞台は途中からなぜか日本海に浮かぶ孤島に移って、そこで発生する連続殺人の謎が加わってきます。
どうも、本シリーズは「孤島」への強い拘りがあるようで(なにぶん初読なもので、よく知らんかったわけで・・・)、ミリア・ユリ・石崎の三人のコンビも「孤島」ネタをつぎつぎとブッ込んできます。

ただ・・・読了後は、「家に例えるなら、どうにも安普請な家を建てたなぁー」という印象。
見た目はそう悪くないのだ。
ふたつの、一見無関係そうな連続殺人事件を提示しておいて、本作の裏テーマである〇N〇を動機として信憑性を持たせるというプロット。まぁ無理やりといえば無理矢理だし、動機としても荒唐無稽という気がしないでもないけど、とにもかくにも成立はさせている。
ただ、どうにもねぇ「安さ」が目についてしまう・・・のだ。
(エピローグもいるかな? こんな後日談を挿入するなんて、ページ稼ぎかと勘ぐってしまう)

もともとこんな作風なんだろうし、重厚なミステリーではなく、メインの三人の掛け合いがウリの「お笑い系ミステリー」なんだから、「安くても」いいじゃないとも思うんだけど、うーmm。
後はまぁ好みの問題なのかな。個人的にはあまりお勧めはできないという評価。

No.2 6点 メルカトル
(2022/08/28 22:52登録)
「女子高生連続殺人事件」―201X年9月、5人の女子高生の遺体が埼玉県山中、産業廃棄物の投棄現場で発見された。被害者の共通点は、生年月日が全員同じだということ。それから4ヵ月後、またも女子高生の遺体が東京と埼玉の県境にある産廃の現場で見つかる。被害者は同じく5人。全裸の上、手足を切断されていた…。凶悪な犯行に世間は大パニック!犯人の次なる狙いは。
『BOOK』データベースより。

冒頭から女子高生連続殺人事件の謎を、石崎を含むミステリ研の4人組が検討し始めるシーンに、おっ今回は珍しくシリアルキラーものかと思いきや、結局孤島へ行っちゃうのね。それにしても、本シリーズとシリアルキラーの相性は余り宜しくないない気がしてしまいます。しかし、全ての被害者の左手と左足を切断した動機に関してはなかなかよく考えられていると思います。

そして孤島での事件と連続殺人の関連とは?全く関係なさそうな二つの事件が繋がる時、驚愕の真相が・・・とはならないですねえ、残念ながら。
個人的にメフィスト系の作家の中ではかなりの理論派だと思っている石崎幸二、意外に拘りも持っていて結構な割合でDNA鑑定が採用されています。本作ではユリが書記になり切って随時事件の概要をまとめているので、非常に解りやすくなっています。まあ大体何時もそうなんですけど。そして、石崎とミリアの探偵同士の対決がバチバチと火花を散らしますよ。果たして勝ったのはどちらか?でもそんな事はどうでも良い二人なのでした。

No.1 5点 kanamori
(2010/12/05 17:44登録)
会社員・石崎&二人の女子高生が探偵役を務めるユーモア本格第7弾。
恒例になったミス研部室での3人のやり取りが益々快調。ボケとツッコミに、乗りツッコミ、ボケ崩し、繰り返しギャグと、笑いのテクニックが縦横無尽に繰り出されていて楽しめる。
今回も、孤島&DNAネタですが、フーダニットよりもホワイダニットが核。前代未聞でトンデモ系の殺人動機は面白いものの、かなり説得力に欠けるかな。

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