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ミステリの祭典

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幻の森
ダルジール警視

作家 レジナルド・ヒル
出版日1998年10月
平均点6.67点
書評数3人

No.3 7点 ことは
(2020/03/14 17:51登録)
ノヴェロ初登場作。ノヴェロも好きなキャラだなぁ。
ダルジール、パスコー、ウィールドの三人にチーム感ができて、キャラが安定しすぎたため、三人を外からみる視点をいれる必要を作者が感じたのだろう。ノヴェロ視点での三人の描写が、評価も悪口も、読んでいてじつに楽しいのだ。
本作ではノヴェロの出番は少ないが、この後、3人に並ぶ4人目のキャラとなる。
マーヴェル初登場作。これによって、ダルジールに人間的弱みが垣間見えるようになる。
「骨と沈黙」以上に「厚っ!」となったが、この後さらに厚くなっていくとは。この作以降は、厚さと中身(シリーズ・キャラの人生を描く方向性)で、一見さんお断りのような気がする。
本作は、安定の描写の面白さはあるが、他の点では特筆すべきところはないかなぁ。製薬会社の描写は精彩がないかも。

No.2 6点 江守森江
(2010/12/25 06:22登録)
AXNミステリー今週放送の「ダルジール警視」新エピソードは本作。
パスコーが暴走気味に追う第一次世界大戦下の曾祖父失踪の謎(ドラマでは祖父に改変)とダルジールが追う製薬会社の敷地の森で発見された古い人骨の謎が最後は一体になる御都合主義がかえってミステリーらしいし、英国の田舎町の狭さを感じる。
適度に端折って制作されたドラマ版(正味90分)程度の分量が程良いと感じるくらい原作は分厚く、ここまで来るとミステリーに名を借りたダルジール達の大河ロマンになっている。
話変わって、今年のベストセラー本マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』(←ハーバード白熱教室)の書評で、議題そのものがミステリーに転用されていると書いたが、本作の動機はそのものだった。
(法的には当然のごとく裁かれるのだろうが)本作の犯人も己の正義を貫いただけなのではないか?と深く考えてしまった。
哲学的思索は読書以上に疲れる。

No.1 7点 kanamori
(2010/10/27 21:35登録)
ダルジール警視シリーズの第14作は、ピーター・パスコーの死の謎を巡る物語。といっても、第一次大戦で亡くなったとされる同じ名前のパスコー主任警部の曾祖父の死の謎ですが。
パスコーが曾祖父の秘密を調査していくうちに、製薬会社の敷地で見つかった古い人骨事件を手がけるダルジールに徐々に接近していく構成が面白い。
単にシリーズキャラクターの魅力に寄りかかることなく、きっちり本格ミステリの骨格を備えている佳作だと思います。

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