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ミステリの祭典

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毛皮コートの死体-ストリッパー探偵物語
ストリッパー探偵チエカ

作家 梶龍雄
出版日1985年11月
平均点5.00点
書評数3人

No.3 6点 人並由真
(2025/03/29 22:01登録)
(ネタバレなし)
 梶作品はこれまで長編ばかり読んできたので、短編集(連作短編集)を読むのはこれが初めてかもしれない?
 
 全6編。長編のよく出来た時のようなこってり感はほとんどなく、男女の関係性の機微を軸にした等身大の人間ドラマに、そこそこ60~65点の謎解きミステリ要素を組み合わせた感じ。
 どこかで見たような読んだようなトリックやネタもそれなりに。

 ただ主人公ヒロインのチエカの日々の推移を追ったペーソスストーリーの連作としては、なかなか読み手の感情移入を誘う面もあり、その辺も作者の狙いなら、ソコは成功。

 シリーズはあと最低でも2冊はあるみたいだけど、古書価は高いな……。
 安く出会えるのを待つか、図書館で借りて読むか。

No.2 4点 nukkam
(2021/05/28 06:56登録)
(ネタバレなしです) ストリッパーながら探偵の素質をもつチエカを主人公にした1985年出版の第1短編集で、1982年から1985年にかけて発表された6作品を収めています(このシリーズは長編1冊と短編集2冊が書かれています)。本書あたりから通俗趣味の作品が増えていくのは出版社の要請なのか作者のねらいなのかはわかりません。本書のあとがきで「やはり本格の知的興奮は欲しい」と本格派推理小説へのこだわりを見せているのは評価したいところですが、個人的にはベッドシーン豊富な通俗的雰囲気は好みではありませんでした。「熱海に来た女」での「おもしろい証拠」なんかはいかにもストリッパー探偵ならではの着眼点ですけど。

No.1 5点 kanamori
(2010/11/10 22:26登録)
浅草のストリッパー・チエカが探偵役を務める連作短編集。
同じお色気探偵ものでいえば、都筑道夫の泡姫シルビアとだいたい同時期の作品ですが、こちらはB級感というか通俗風味が漂っています。
といっても、表題作や「アパッシュの女」はミステリ趣向としては一定水準以上の出来だと思います。ただ後半になるほど、哀切感のある人情物語になっていきますが。

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