home

ミステリの祭典

login
マハーラージャ殺し

作家 H・R・F・キーティング
出版日1982年06月
平均点5.67点
書評数3人

No.3 5点 ◇・・
(2024/07/19 20:08登録)
舞台は大英帝国の支配下、藩主王国の王様が各地を支配していた1930年代のインド。
その王様の一人が、狩りの最中に銃の暴発で死亡してしまう。情景描写は実に異国情緒があってよいが、トリック的にはさほど大したことはない。

No.2 6点 nukkam
(2016/06/28 17:33登録)
(ネタバレなしです) 1980年発表の歴史本格派推理小説で「パーフェクト殺人」(1964年)以来2度目となるCWA(英国推理作家協会)ゴールド・ダガー賞を獲得した作品です。作中時代を1930年に設定した歴史ものではありますがマハーラージャの宮殿というあまりに特殊な舞台のためか時代性はそれほど感じられませんでした。キーティングの作品では大作の部類に入り、プロットも複雑ですが作者のストーリーテリングが冴え渡って読みやすいです。凶器に未知の植物が使われているのがちょっと気になりますが謎解き自体は古典的で、探偵役が容疑者を1人ずつ犯人候補から外しながら犯人を絞り込む解決場面が面白いです。できればゴーテ警部シリーズをいくつか読んでから本書を読むことを勧めます。

No.1 6点
(2014/07/16 22:39登録)
1980年に発表され、2度目のゴールド・ダガー賞を受賞した作品です。1回目の受賞作『パーフェクト殺人』から始まるゴーテ警部のシリーズは20冊以上あるそうですが、今までに翻訳されたのは4冊のみですから、知名度の割に紹介作の少ない作家です。まあ本作を読む限り、じっくり系フーダニットですから、派手な仕掛けを好む本格派ファンには受けないでしょう。
シリーズの「前日譚」(訳者あとがき)とも言うべき本作は1930年のインドが舞台で、『七つの時計』(1929作)を登場人物が読んでいたり、ポアロについて語られたりと、明らかにクリスティーを意識しているのですが、それにしてはハワード警視の消去法推理にはあまり説得力がありません。また決定的な手掛かりは、その事実が以前の事情聴取で明らかにされていなかったことが意外なくらいです。それなのに、さほど不満を感じなかったのは、作者の小説家としての腕ということでしょうか。

3レコード表示中です 書評