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ミステリの祭典

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カリフォルニアの炎

作家 ドン・ウィンズロウ
出版日2001年09月
平均点9.00点
書評数2人

No.2 9点 itokin
(2016/09/05 19:34登録)
さすが、ドン・ウィンズローと思える作品です。焼け跡からの検証で犯罪か過失か自殺か、他殺か、想像以上に解明できることにびっくり、また、保険会社の対応も厳しさといい加減さもそれぞれの火災によってあることがよく解った。
裁判での弁護士の優秀さが判決に大きく左右すると言われてきたが、誰がやっても大して変わらんだろうと疑問視してきたがこれが間違いだったことも勉強になった。
物語は、主人公が絶体絶命に何度も追い込まれながら、巨悪の集団に立ち向かうのだが如何にして窮地を脱するのか、展開に目をうわばれる。
この作品優秀さは、いつもながら機知に富んだ軽妙な言い回し専門用語をわかりやすく表現する等翻訳が素晴らしいということです。

No.1 9点 Tetchy
(2010/10/04 21:26登録)
今回の主人公は火災査定人。なんでも作者ウィンズロウ自身が保険調査員だった時の経験を基に書いたのだそうだ。そして内容も経験した者でしか書けないディテールに満ちている。特にジャックが火災現場で火元を調査する詳細な件は実に精緻でリアルに満ちている。科学的根拠に基づいたその調査は素人の好奇心を掴んでやまないほど、面白い。
さらに保険に纏わる数々の信じられないようなエピソードが読書の興趣をそそる。

こんなに面白い作品なのに、表紙で大いに損をしている。この生っちょろいイラストではこれが不屈の男の生き様を描いた作品だということは想像つかないだろう。表紙に引かず、是非とも手にとって欲しい。保険業界の仕組みや裏側も判り、なによりもジャック・ウェイドという、この上ない魅力ある主人公に出逢えるのだから。

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