ミステリ・ベスト201 瀬戸川猛資編 |
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作家 | 事典・ガイド |
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出版日 | 1994年04月 |
平均点 | 7.00点 |
書評数 | 3人 |
No.3 | 5点 | 小原庄助 | |
(2021/08/07 09:16登録) 内容はタイトルに示されているように、201作の海外ミステリを紹介するというものだが、あちこちで紹介され尽くしたような古典的名作を並べるのではなく、八十年代以降に翻訳された作品だけを扱っているのが特徴となっている。年代を制限したために比較的マイナーな作品を掲載することが出来たという点、あるいは各執筆者の趣味がそのままに反映されているという点に関しては、この方法は成功していると言えそうである。評価基準として総合評価のほかに、「面白さ」「味わい」「格調」「人物」「その他」について五段階評価をしているのも面白い。 ただし気になる点がないわけではない。現代のミステリは驚くほど多様であるためにジャンル分けしないという発想は理解できるのだが、厳密な意味でのジャンル分けが困難であることは認めるにしても、便宜的な意味でのレッテルがなくしてしまえるほどに無意味なものだとは思えない。これはある意味では読者の拠りどころを奪い取るような行為であり、紹介本という形をとっているわりには、比較的読者に苦労を強いるような作りになっているともいえるのである。 執筆者の作品に対するこだわりや愛着の深さはコメントに凝集されており、その理解と深さは行間からひしひしと感じ取れるのだが、そのために紹介本としては言葉足らずになっている部分も目につく。 |
No.2 | 7点 | kanamori | |
(2013/11/30 18:38登録) 多くの出版社が翻訳ミステリ市場に参入し、毎年大量の海外作品が書店の棚に並びはじめた’80年代から90年代の初め。本書は、そんな時代の読者のために、古典名作ではなく、80年以降翻訳されたものの中で「94年のいま、なにが面白いのか」に的を絞った海外ミステリのガイドブックです。 瀬戸川猛資氏の責任編集で、同氏を含め7名の精鋭書評家による選定と中身の濃い作品紹介が本書の魅力です。すでに初出から20年近く経って若干古臭くなりましたが、現在でも充分参考になるのではと思います。 個人的にも、これを参考に多くの名作に巡り合った記憶があります。ただし、勢いで購入していまだに積んどく状態のものも少なからずありますがw (レン・デイトン「SS-GB」、ジョゼ・ジョバンニ「犬橇」などが気になる) ”「東西ミステリーベスト100」は保守的でスタンダード過ぎて面白くない”、または”「このミス」発刊のちょっと前はどんな傑作があるのだろう”と思われるツワモノ読者は図書館などで探して眺めてみては? |
No.1 | 9点 | Tetchy | |
(2010/08/17 21:29登録) 1ページにぎっしり書かれた内容の濃い書評にまだ見ぬ傑作に思いを馳せたのがこの1冊。瀬戸川氏、池上氏を筆頭に現在斯界を代表する書評家が存分に愛情を持って語るその内容は今なお色褪せない。 さすがに今では手に入らない本も多くなったが、これも未だに読み返している1冊。 |