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ミステリの祭典

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ミステリ・ハンドブック
早川書房編集部編

作家 事典・ガイド
出版日1991年09月
平均点7.60点
書評数5人

No.5 5点 蟷螂の斧
(2015/05/04 18:10登録)
「読者が選ぶ海外ミステリ・ベスト100」~これまで行われてきた評論家や作家、一部ファン・クラブによる内外のベストテンとは異なり、”私たちの”ベストテンの性格を強く帯びています。したがって、読者によって作られたページといえるでしょう。~とあります。
前段の「東西ミステリーベスト100」とは違い、一般読者620人による人気投票ですよということでしょう。しかし、集計方法に問題があり、読者の意見(好み)を反映したものとは言えないのでは?。ジャンル別(9部門)に投票したものを、集計して上位100を選んでも意味がないと思うのですが・・・。ジャンル別のランクのみとするならば意義がある。つまり、好きな作品を5冊投票し、ベスト100が出来上がり、その結果をジャンル別に再集計してみたということならば理解できるのですが(どうもそうではないみたいです)。ジャンル別も10位までではなく30位くらいまで記載してくれても良いような気がしました。

No.4 7点 mini
(2015/03/25 09:58登録)
本日発売の今年から隔月化された早川ミステリマガジン5月号の特集は、”新ミステリ・ハンドブックを作ろう”
どうやら早川では今夏に新たなハンドブックを刊行する予定らしく、座談会形式で今後の内容を煮詰めていこう的な企画らしい

例の文春版「東西ミステリー・ベスト」と双璧を成す早川版ハンドブックだが、両社の編集方式にはかなりの違いが有り、どちらが上とかじゃなくて一長一短な感じである
文春版「東西ベスト」は私が思うに必ずしも初心者入門ガイド役には向いていない、どちらかと言えば慣れたベテラン読者が、”そうかアンケート結果ではこの作品はこんな順位になるのか”などと感慨に浸る本である
対して早川版「ハンドブック」の方が初心者入門ガイドには向いている気がする、特にそれまで本格派しか読んでこなかった読者が他のジャンルを読んでみようと思い立った場合には最適な参考書の1つだろう
「東西ベスト」がとにかくアンケートによるポイントで単純に順位付けしたものなのであるのに対して、早川「ハンドブック」はジャンル別に整理分類してあるからね、主人公に焦点を当てた企画も有るし

ただしねえ、どちらが長く使えるかといったらやはり「東西」かな
早川版「ハンドブック」の方が入門指南書としては有効だが、段々と読み慣れてくるにつれて必要性が薄れてくる感じもある、実際に私も「ハンドブック」の方は殆ど閲覧することもない
早川版は一般の「ハンドブック」とは別の姉妹版として、「冒険/スパイ小説ハンドブック」が存在し、今の私にはこちらの方が参考書的には有用である

尚、本格派しか興味が無く、これまで本格派しか読んでいなくて、今後も本格派しか読む気がしない、といった本格派に極端に偏った嗜好の読者には、「東西」も「ハンドブック」もどちらも向いていないと思う
その手の読者には少々値段は高いが、「世界ミステリ作家事典」の方が合うでしょうね

No.3 8点 測量ボ-イ
(2012/02/11 13:16登録)
5~6年ほど前、東京の古本屋で偶然見つけ、100円で購入
しましたが、これが大当たり!
いわゆる黄金時代を除いては、海外ミステリも知識に乏しい
この僕にとって、格好のガイド本です。

No.2 8点 こう
(2012/02/05 00:43登録)
冒頭が海外ミステリベスト100、次いでジャンル別ベスト10(黄金時代、ディテクティヴノベル、ハードボイルド、サスペンス、スリラー)、座談会、有名作家の書評と盛りだくさんのガイド本です。
  90年代前半に手に取った時まず思ったのが文春の東西ミステリーベスト100とは全然結果が違うなあということでした。特に古典が苦戦してました。そのかわりラヴゼイやリューインなどこのガイドで知った作家もいて収穫でした。ただ古典以上に今は消え失せている作品、作家が多いのも感慨深いです。
 冒険、スパイ小説、国際謀略小説は 姉妹本の冒険・スパイ小説ハンドブックに分離されているのは画期的だったと思います。ただ作品のジャンル分けに不満があるものもありましたが。
 作家論はほとんどが文庫の解説の転載なので内容がふさわしくないものもありますがロス・トーマスのようにランキング本、ガイド本に漏れやすい作家の書評を事前に読めたのは収穫でした。逆に瀬戸川氏のカーの書評(夜明けの睡魔)のように全然解説になってない ものもありますが。
 当時は本格とそれ以外に分けてほしいと思ったりもしましたが当時の流行を反映したバラエティに富んだ作品群で重宝したのも事実です。

No.1 10点 Tetchy
(2010/08/16 17:52登録)
これが刊行された当時、世には今のようにミステリガイドブックがほとんど出ていなかった。したがってこの本は世のミステリファンの眼を開く一冊となった。
時の書評家たちを中心にアンケートを取り、オールタイムベストミステリを選出し、さらに各ジャンルに分かれて各書評家がエッセイを書くという、まさに現在の定型を作ったのではないか。手探り状態でミステリを読んでいた私にとってまさにバイブルのようなガイドブック。未だに手元に置いてある。

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