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ミステリの祭典

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まだらの蛇の殺人
警視庁捜査一課事件簿

作家 阿井渉介
出版日1994年01月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 nukkam
(2018/03/17 05:37登録)
(ネタバレなしです) 10作から成る列車シリーズを終了させた作者が新たに発表したのは6作の本格派推理小説から成る警視庁捜査一課事件簿シリーズです。随分と堅苦しいシリーズ名ですが活躍しているのは堀刑事と菱谷刑事のコンビで、組織としての警察描写はほとんどありません。1994年発表の本書がシリーズ第1作で、列車シリーズのスケールの大きさはありませんがコナン・ドイルのシャーロック・ホームズシリーズの某名作を連想させる「まだらの蛇」というダイイングメッセージ、毒蛇の毒による連続殺人、人間消失など謎を沢山盛り込んでいるのはこの作者らしいです。事件の中心には大地主の一族がいるのですが、やたら大人数の上に個々の性格描写が弱いので誰が誰だか頭の整理が大変でした。そのため動機の謎解きにも配慮はしているのですが人間ドラマとして訴えるものが少なく感じました。

No.1 6点 E-BANKER
(2010/07/15 23:10登録)
「列車シリーズ」終結に続く「警視庁捜査一課シリーズ」の第1作目。
飲んだくれだが鋭い捜査勘を持つ菱谷警部補と若手有望株、堀警部補のコンビが難事件に挑む・・・という展開。
今回は、タイトルからも分かるとおり、かの名作「まだらの紐」を彷彿させる事件がある大富豪の一家に発生します。
なぜか、死因は沖縄に住む「エラブウミヘビの毒」(ハブ毒の数十倍の毒だそうです)・・・犯人はどうやって海ヘビを被害者に噛み付かせることができたのかが大きな謎になります。
実は、トリック自体はそれほどたいしたことはないのですが、事件の裏側にある大富豪一家のある企みがラストで明らかになり、そちらの方に魅力を感じました。
評価はちょっと辛めかな。

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