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ミステリの祭典

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まだらの蛇の殺人
警視庁捜査一課事件簿

作家 阿井渉介
出版日1994年01月
平均点5.67点
書評数3人

No.3 6点 たかだい
(2025/08/10 10:38登録)
以前レビューを挙げた「風神雷神の殺人」を含むシリーズ作品の第一弾です
将来有望の若手ホープと、ギャンブル狂いのロートルという凸凹コンビが、田舎の富豪一族を襲う『蛇の呪い』の謎に迫る本格推理物
相変わらずと言うべきかギャンブル狂いの相棒がどうにも好きにはなれないシリーズですが、一つのミステリー作品としては質は高めかなと思います
ハブの数倍という強力な毒を持つ海蛇に噛まれて死んでいく兄弟、蛇が蠢く気配があちこちで漂い、蛇にまつわる伝承が残る池では過去に入水自殺も起きており、それらが一つの真実にまとまっていく様はなかなか面白かった
シリーズとしては意外と気に入っているので、近々他の作品も読んでみようと思います

No.2 5点 nukkam
(2018/03/17 05:37登録)
(ネタバレなしです) 10作から成る列車シリーズを終了させた作者が新たに発表したのは6作の本格派推理小説から成る警視庁捜査一課事件簿シリーズです。随分と堅苦しいシリーズ名ですが活躍しているのは堀刑事と菱谷刑事のコンビで、組織としての警察描写はほとんどありません。1994年発表の本書がシリーズ第1作で、列車シリーズのスケールの大きさはありませんがコナン・ドイルのシャーロック・ホームズシリーズの某名作を連想させる「まだらの蛇」というダイイングメッセージ、毒蛇の毒による連続殺人、人間消失など謎を沢山盛り込んでいるのはこの作者らしいです。事件の中心には大地主の一族がいるのですが、やたら大人数の上に個々の性格描写が弱いので誰が誰だか頭の整理が大変でした。そのため動機の謎解きにも配慮はしているのですが人間ドラマとして訴えるものが少なく感じました。

No.1 6点 E-BANKER
(2010/07/15 23:10登録)
「列車シリーズ」終結に続く「警視庁捜査一課シリーズ」の第1作目。
飲んだくれだが鋭い捜査勘を持つ菱谷警部補と若手有望株、堀警部補のコンビが難事件に挑む・・・という展開。
今回は、タイトルからも分かるとおり、かの名作「まだらの紐」を彷彿させる事件がある大富豪の一家に発生します。
なぜか、死因は沖縄に住む「エラブウミヘビの毒」(ハブ毒の数十倍の毒だそうです)・・・犯人はどうやって海ヘビを被害者に噛み付かせることができたのかが大きな謎になります。
実は、トリック自体はそれほどたいしたことはないのですが、事件の裏側にある大富豪一家のある企みがラストで明らかになり、そちらの方に魅力を感じました。
評価はちょっと辛めかな。

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