密室大集合 エドワード・ホック編 |
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作家 | アンソロジー(海外編集者) |
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出版日 | 1984年03月 |
平均点 | 6.50点 |
書評数 | 2人 |
No.2 | 6点 | 蟷螂の斧 | |
(2023/01/23 21:02登録) 密室ばかりではなく不可能犯罪の作品もあります。 ①山羊の影 ジョン・ディクスン・カー 6点 暗い地下室から消失、遠方での殺人・・・アリバイ ②クロワ・ルース街の小さな家 ジョルジュ・シムノン 4点 警官が囲む家の中で銃殺。拳銃はなかった・・・非現実的 ③皇帝のキノコの秘密 ジェイムズ・ヤッフェ 7点 毒見役がいるにも拘わらず毒キノコで死亡・・・侍医 ④この世の外から クレイトン・ロースン 7点 テープで目張りしてある密室での殺人・・・心理 ⑤鏡もて見るごとく ヘレン・マクロイ 5点 女教師の分身があちこちで目撃される・・・相続 ⑥七月の雪つぶて エラリー・クイーン 7点 証人を乗せた列車が前の駅を出発したが到着しない・・・消失 ⑦ニュートンの卵 ピーター・ゴドフリー 7点 病室で患者がゆで卵を食べて死亡・・・動機 ⑧三重の密室 リリアン・デ・ラ・トーレ 4点 宝石を盗まれないよう寝室のドアを三重の鍵をかけたが・・・石灰入れ ⑨真鍮色の密室 アイザック・アシモフ 6点 三次元の密室。私はどの方向でも動けるのだが・・・脱出 ⑩火星のダイヤモンド ポール・アンダースン 4点 宇宙船での宝石箱紛失・・・引力 「天外消失」所収 ⑪子供たちが消えた日 ヒュウ・ペンティコースト 9点 9人の子供を乗せた通学バスが運転手とともに姿を消した。道路は片方が湖に面し、もう一方は崖。GSと途中でバスは目撃されているが終点に到着しなかった・・・無人の町 ⑫魔術のように ジュリアン・シモンズ 3点 人ごみの中の殺人・・・人形芝居 ⑬不可能窃盗 ジョン・F・スーター 6点 一人が部屋の外に出ている間に施錠されたケース内の古文書を取り出すという賭け。取り出した古文書はどこにもない・・・盲点 ⑭ストラング先生と博物館見学 ウィリアム・ブルテン 4点 剥製のある博物館で、金のお面が紛失・・・隠し場所 ⑮お人好しなんてごめんだ マイクル・コリンズ 6点 密室殺人が出来過ぎている・・・時間稼ぎ ⑯アローモンド監獄の謎 ビル・プロンジーニ 4点 絞首台から死刑囚が消えた・・・非現実的 ⑰箱の中の箱 ジャック・リッチー 6点 密室内に妻の死体と銃を持って気絶している夫・・・廊下で銃声を聞く ⑱魔の背番号12 ジョン・L・ブリーン 6点 野球選手がロッカーに通じる地下通路で消失・・・殺人 ⑲奇術師の妻 J・F・ピアス 6点 箱に入った妻が爆発と煙で消失・・・姉妹 ⑳有蓋橋事件 エドワード・D・ホック 7点 馬車の消失 サム・ホーソーンの事件簿Ⅰで書評済 |
No.1 | 7点 | kanamori | |
(2010/05/19 18:49登録) 密室ミステリのアンソロジー。 この作品集も、カー、クイーン、ロースン、ホック(編者自身!)がお約束のように収録されていますが、ほかにも逸品があってなかなか楽しめました。 ヤッフェ「皇帝のキノコの秘密」は作者15歳の時に出したデビュー連作短編の中の1作で、ブロンクスのママと並ぶシリーズ探偵の不可能犯罪課ドーン刑事もの。このシリーズは論創社ぐらいから出版してもらいたいものです。 デ・ラ・トーレの「三重の密室」、アシモフのSFミステリ「真鍮色の密室」、ブルテンのストラング先生ものなどが目を引きますが、一番の収穫はヒュー・ペンティコーストの「子供たちが消えた日」です。スクールバスの消失を扱っていて、不可能性と小説の完成度で優れていて個人的ベストです。 |