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ミステリの祭典

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深夜の張り込み

作家 トマス・ウォルシュ
出版日1961年01月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点
(2020/12/24 23:19登録)
先入観を覆してくれる作品でした。
読むことにした時点では内容を全く知らず、タイトルから何となくかなり地味目の警察小説かと思っていたのです。ところが粗筋を見ると、「殺人鬼と化していく悪徳警官の心理をヴィヴィッドに描く」ということ。それで犯罪小説的な作品だろうというつもりで読み始めたのです。
なるほど、強盗犯人を殺してその金を奪おうとするあたりまでは確かにそうです。ただ優柔不断な刑事を自分の言いなりにさせようという計画はあまりに危険としか言いようがありませんが。しかしその後は、この悪徳警官の行動は一緒に張り込みをしていた刑事や上司の警部に即座に怪しまれ、半分にも達しないうちに真相は彼等に知られてしまいます。その後は双方の立場を切り替えながら描かれていくサスペンスフルな警察小説展開。
追う者、追われる者の心理描写も悪くなかったのですが、ただ訳文がどうもぎくしゃくしていて。

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