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ミステリの祭典

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神と野獣の日

作家 松本清張
出版日1963年01月
平均点4.33点
書評数3人

No.3 5点 虫暮部
(2021/11/11 10:25登録)
 評価に迷う。しっかり書かれた作品ではある。しかし主題がアレならこの内容はありきたりだ。
 “みんなできるだけ生きていてくれ”と言う課長の叫びはストレートで印象的。刑務所に着目したのは上手い。或る意味最も残酷な結末で、その点は唸らされた。
 (ラスト数行のアレは無しにして、そこからの“復興”を描くのはどうかな? と思った)

No.2 4点
(2010/07/07 13:56登録)
タイムリミット・SFパニック物です。映画でいえば「ディープ・インパクト」(地球最後の日)みたいなものでしょうか。
個人の視点では描かれておらず社会小説的な描き方をしているので、感情移入することはなく、しかも性悪説に立って描かれているので心から楽しめるということもなく、読後の爽快な満足感なぞ全く得られません。オチは清張らしいとはいえ、想像を超えるものではありませんでした。
こんな内容でも猛烈な勢いで読めてしまうので、もしかして名作ではと勘違いしてしまいそうですが、他の名作にくらべながら冷静に考えると、やはり、清張の想像力に感心できただけの作品だったように思います。

No.1 4点 kanamori
(2010/05/28 18:31登録)
某国の核搭載ミサイル2発が東京に向け発射された、という近未来IFパニック小説。
数多い清張作品の中でも一番の異色作で、滅亡型パニック小説としては「日本沈没」の先駆といえますが、文庫で200ページ余りの分量のせいもあり、政府幹部の無能ぶりや国民の混乱状況の描写など通り一遍で非常に物足りない内容です。主人公を設定した人間ドラマでないため、いつもの重厚な物語性を味わえない不満が残りました。

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