Twelve Y.O. |
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作家 | 福井晴敏 |
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出版日 | 1998年09月 |
平均点 | 4.33点 |
書評数 | 3人 |
No.3 | 4点 | 八二一 | |
(2022/07/08 20:16登録) 独特の熱気にあふれた冒険アクション小説。 コンピューターを駆使して米国防総省を脅迫する電子テロリストをめぐっての攻防が、ほどなく沖縄での壮絶なバトルに発展していく。戦闘シーンには圧倒的な迫力があるが、個性的な文章や読者を意識しない構成はやはり気にかかった。 |
No.2 | 3点 | isurrender | |
(2011/11/10 21:51登録) プロットは悪くはないと思うが、登場人物のキャラクターや台詞、演出などが非常にありきたりで残念 正直に言って期待外れでした |
No.1 | 6点 | Tetchy | |
(2010/04/19 21:58登録) 物語の構造はデビュー作にしては実に複雑でかなり情報量の多い作品となった。従って通常の小説の3/4くらいのスピードでしか読めなかった。 また文体は三人称叙述だが、各登場人物の斜に構えた心情が地の文にはさまれており、ほとんど一人称に近い。上に述べた情報量の多さも含め、この辺は推敲しているのだろうが、書きたいことが多すぎて削除してもこれだけになってしまったような未熟さがあり、行間を読ませる文章を綴る、引き算の出来ない作家だという風に受取った。 そして怒りの文体とでも云おうか、全編にわたって横溢する日本という国に対する感情を包み隠さずに表している。特に自衛隊が抱える存在意義の矛盾に対する怒りと自嘲がほぼ全編を覆っている。 こういう情念にも似た熱き物語を紡ぐ文体は好きなほうなのだが、乗り切れない自分がいた。 ツボは押さえてはいる。が、しかしこの感情に任せて先走ったような文体が作者の貌を色濃く想像させて読者の感情移入の障壁となっているような感じを受け、それに加えてやはり軍事用語を主にした専門用語の応酬が映像的なアクション描写とは方向を異にするベクトルを持って、ページを捲るべく所でページを捲らせなかった。 |