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ミステリの祭典

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クロへの長い道
ボクちゃん探偵シリーズ

作家 二階堂黎人
出版日1999年08月
平均点6.75点
書評数4人

No.4 6点 レッドキング
(2024/04/28 23:05登録)
幼稚園児「ハードボイルド」探偵:シンちゃんシリーズ第二短編集。
  「縞模様の宅急便」 ロー(ハイでなく)リスク・ローリターンの身代金誘拐 3点
  「クロへの長い道」 そっか、ハードボイルドの道って、あのホームズ名作短編に至るんだ! 7点
  「カラスの鍵」 部屋と密閉ケース、二重密室からの宝石消失トリック 3点
  「八百屋の死に様」 見えない少年(チェスタトン+「姑獲鳥」)と見えてる入代りの二重ネタ 8点(この作者なら、この短編を元に長編拵えられるんじゃないか。)全体で・・平均でなく・・6点。

No.3 6点 メルカトル
(2024/03/06 22:20登録)
私の名は渋柿。一匹狼の私立探偵。独身で6歳の、ちょっとシャイな黄色人種。母親や知人たちは、私のことを気安く《しんちゃん》と呼ぶ――。
ライセンスを持たない幼児探偵が難事件を次々と解決していくハードボイルド感漂う表題作、「見えない人」をテーマに描いた『八百屋の死にざま』など4編を収録。
Amazon内容紹介より。

自称私立探偵、幼稚園児のしんちゃんがハードボイルド風に語る、異色の本格ミステリ。これはユーモアミステリではなく、本格に属する小説だと思います。確かに傍から見れば滑稽と言えるかも知れませんが、作者本人にしてみれば真面目に書いている気がします。決して面白半分で園児を探偵に仕立て上げた訳ではなく、そうした設定でもミステリは成り立つという信念の様なものを感じます。

まあ『八百屋の死にざま』のタイトルはやり過ぎかとも思われますが、これもハードボイルドを意識しての遊び心の表れでしょうから、笑って許してあげて頂きたいものです。
正直最初の『縞模様の宅配便』を読んだ時はイマイチと感じました。それでも残りの三編はどれもなかなか意表を突いた優れもので、しんちゃんの語り口調に思わずニヤリとさせられながら、刊行当時の流行や子供達の喜びそうなアイテムを登場させるなどの工夫が凝らされ楽しませてもらいました。水乃サトルシリーズよりも面白いんじゃないですかね。

No.2 7点 なの
(2004/09/26 20:12登録)
今回も面白いですね。
戦隊シリーズがドンドン変わっているのに、何故か歳を取らない登場人物(笑)
『八百屋の死に様』が秀逸。
あまりに切ないトリックでした。

No.1 8点 しゃん
(2002/11/11 18:41登録)
 やはり、前作『私が捜した少年』と同じく、主人公の設定が実に面白い。
 小さな体で、大人からは当然のように子ども扱いされながら、それでも懸命に謎を解こうとする様子は、ドンキホーテにも似てて滑稽でもあり、悲しくもあり、しかし、格好いい、そんな風に感じた。
 どの短編も面白いが、最後の『八百屋の死に様』が私の好み。

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