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ミステリの祭典

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ケイティ殺人事件

作家 マイケル・ギルバート
出版日1981年09月
平均点6.00点
書評数3人

No.3 7点
(2018/05/02 17:48登録)
久しぶりの再読で、はっきり覚えていたのは結末の意外性だけでした。出版当時、クリスティーとクイーンの有名作を挙げて、それらに比肩するというような宣伝文句が使われていました。期待を高めることは間違いありませんし、だからこそ当時早速読んでみたのですが、その巨匠2作品の共通点を考えれば真相の見当がついてしまうというのが、売り方としては問題だったかなと思えます。そんな予備知識がなければ、最後に明かされる真相は、予測しにくいように巧妙に構成されていて、オチを知って読んでいるとその点に感心させられました。ただし、読者に推理の手がかりを示しておくタイプではありません。
半ば過ぎから裁判に向けての準備に入ってくるのですが、なかなか裁判が始まらないのは、弁護士でもある作者らしい手際というべきでしょうか。前半の地味さに比べ、最後の方で自殺を含め次から次へと人が死んでいくのには驚かされました。

No.2 5点 nukkam
(2016/08/01 01:45登録)
(ネタバレなしです) 1980年発表の警察小説と本格派推理小説のジャンルミックスタイプの作品です。序盤から登場人物がどんどん増えていくので登場人物リストを作りながら読むことを勧めます。大胆な真相は内田康夫の某作品を連想しましたが、内田作品では浅見光彦というシリーズ名探偵が登場しているところが本書と大きく違っており真相のインパクトも随分と違いました。21章あたりから(作中人物の言葉を借りるなら)「ひどく汚らわしい事件」の様相を見せ始めるのが読者を選びそうです(直接的なエログロ描写はありませんけど)。

No.1 6点 kanamori
(2010/05/08 00:37登録)
著者後期の捜査小説ですが、意外な拾いものの一冊でした。
田舎町のダンスパーティの夜、町出身の有名女性アイドルが惨殺される。物語の序盤は町の住民たちが次々登場し人物の交通整理が大変ですが、捜査陣の住民一人一人の聞き込みによって主要人物の造形が徐々に浮き彫りになってきます。
終盤、法廷場面になってダミー犯人と真犯人がおぼろげに推理できるのですが、最後の数ページでとんでもない事をやってくれてます。途中ちょっと違和感を覚えた記述があったのですが、M・ギルバートがそれをやるとは思わなかったので相当驚きました。

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