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ミステリの祭典

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白い森の幽霊殺人
里中邦彦シリーズ

作家 本岡類
出版日1985年03月
平均点5.33点
書評数3人

No.3 5点 メルカトル
(2014/03/19 22:25登録)
再読です。
第一の殺人は雪だるまの中に埋め込まれた女子大生、しかも両足が切断されているという、なかなか猟奇的なものだが、第二、第三の事件は事故か殺人か判然としないという、いたって地味なものである。
ペンションのオーナーである邦彦は、巻き込まれるように探偵役を演じることになるのだが、その独自の捜査がいかにも地味で、なんだか一向に期待感が盛り上がってこない。他にはあまりこれと言って目立った人物が登場しないため、全体的に平板な感じを受けてしまう。地道な捜査により、次第に事件の全貌が明らかになっていくタイプのミステリが好みの読者には向いているだろうが、私にはどちらかというと嗜好が合っていないと感じた。
ただし、謎解きのシーンはそれなりに読み応えもあり、なぜ両足が切断されたのか、あるいはなぜ雪だるまに死体を隠したのか、といった理由には納得させられた。
よくよく考えてみると、結構面白い事件なのだが、ストーリーに派手さがないので、せっかくの逸材がかなり控えめな作品と言う印象になってしまっているのは残念である。

No.2 5点 nukkam
(2014/02/16 10:27登録)
(ネタバレなしです) 1985年発表の本格派推理小説で、探偵役のペンションオーナー里中邦彦が事件に巻き込まれてどきどきしたり、慣れぬ犯罪捜査に苦心したりとアマチュア探偵ぶりがよく描けています。冬の描写にも力が入っています。推理も丁寧で共犯者や交換殺人の可能性までも議論していますがそんな可能性まで広げられると犯人当てとして難易度が高くなり過ぎて敷居が少々高いように思います。バラバラ死体の謎解きには創意工夫が感じられます。

No.1 6点 kanamori
(2010/03/18 23:20登録)
ペンション「銀の森」のオーナーが探偵役の本格ミステリ、シリーズ第1作。
雪だるまの中から両足切断の女子大生が発見された事件を描いていますが、過剰な煽りもなくユーモアも適度にまぶされていて、読後感が気持よかったです。
なぜ両足が切断されていたのか?ロジカルなミステリが好きな読者向けの端正な本格ものです。

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