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ミステリの祭典

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王者のゲーム
ジョン・コーリーシリーズ

作家 ネルソン・デミル
出版日2001年11月
平均点6.67点
書評数3人

No.3 5点 ◇・・
(2020/09/12 18:35登録)
くだらない冗談を言ったり、上司に逆らったり、周囲の人々に迷惑をかけ、イライラさせるくせに頭の回転が速く、行動力があり、美女にモテる主人公が魅力的なシリーズ。
警察、FBI、CIA、ムスリム教徒、アメリカの西海岸、東海岸などに関して主人公の冗談や偏見から学ぶことのできるステレオタイプは、「アメリカ入門書」の役割も果たす。2001年のアメリカ同時多発テロ以前に刊行されていることも感慨深い。

No.2 6点 kanamori
(2010/09/24 18:10登録)
偏見かもしれないが、同じ作者の作品でも他の出版社で出ているものは非常に面白いのに、講談社文庫になるととたんにつまらなくなってしまう気がする。ゴダード、コナリーしかりで、このデミルの作品もそう感じた。
物語は、JFK空港に着いた航空機乗客全員の惨事から、主人公とテロリストとの対決と、序盤はこの種のサスペンスの水準をクリアしていると思いますが、下巻に入ってから間延びした展開が続き、集中して読み続けるのが少々苦しかった。
主人公ジョン・コーリーの皮肉混じりのユーモラスな会話は前作同様さえていて楽しいが、物語から浮いた感じもしました。

No.1 9点 Tetchy
(2010/03/12 23:15登録)
ページを繰る手が止まらないとは正にこのこと。デミルの面目躍如たる本作は一級のエンタテインメント小説だ。

しかしこのデミルという作家は生粋のエンタテインメント作家であり、ミステリ作家ではない、いやミステリ作家にはなれないのだろうなということ。はっきり云ってこの物語は転がし方次第では第1級のミステリに成りえたのだ。
暗殺者ハリールの動機をなぜ早々に第2章で明かすのだろうか?これを謎として持っていけば、第1級のミステリに成りえたのに。

しかし本作はデミル作品の中でも抜群の語り口の上手さが存分に発揮されている。皮肉屋コーリーのキャラクタ性が前作よりもさらに磨きがかかったことが特に大きい。

それだけにこの消化不良感が非常に勿体無い。
本当に勿体無い。
でも面白かった。

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