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ミステリの祭典

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超音速漂流
旧版はトマス・ブロック単独名義で刊行/新版は全面改訂

作家 ネルソン・デミル&トマス・ブロック
出版日1982年06月
平均点8.00点
書評数3人

No.3 7点 蟷螂の斧
(2021/09/25 18:06登録)
航空パニックものは、当然結末は予想できるので、物語の過程の善し悪しが書評の判断となりますね。三方からの妨害プロット(海軍、航空会社、ゾンビ化した乗客)は結構楽しめました。映画化は?と調べたら「フライトパニックSOS/超音速漂流」と題しTV映画化されていました。その予告編では、ミサイルが機体を突き抜けるシーン(スローモーション)や、乗客が機外へ放り出されるシーンなどが描かれ、結構面白そうです。ただ、映画では小説のように登場人物の内面を描くのは難しいかも・・・

No.2 7点 kanamori
(2010/08/05 20:43登録)
「東西ミステリーベスト100」海外編の111位は、この航空パニック小説の傑作。
ミサイルの誤射で亜宇宙をさまようことになった航空機の必至のサバイバル・サスペンスで、脳障害を起こし襲ってくる乗客たち、事故を隠蔽しようとする軍部など、次々と主人公を襲う難題が並みのパニック小説にない捻ったプロットで楽しめた。
初読は20年以上前ですが、復刊本を見て驚いた。真の作者はネルソン・デミルだったとは。

No.1 10点 Tetchy
(2010/03/09 21:56登録)
素直に傑作と認めたい。
ハリウッド映画好みの人物設定が眼前としてあるのは否めないし、また彼らがこういったパニックストーリーにそれぞれ有機的に機能するように計算された配置を成されているのも盤上の将棋の駒のような動きをしているような感じもするが、これほど読者を楽しませるのにあれやこれやと試練を畳み掛け、葛藤する人間ドラマを盛り込んでいるのは正直素晴らしい。亜宇宙空間での事故に関する良質なシミュレーション小説としても評価は高いだろう。

なんせ今回ほどストーリー紹介の不要な小説も珍しい。
最高水準のジャンボジェット機が空軍の訓練ミサイルのミスショットにより風穴を空けたまま、素人パイロットの操縦でサンフランシスコへの帰還を目指す。
このたった2行で十分だ。おそらく今後この小説のストーリーは忘れないだろう。久々ページを繰る手がもどかしい小説を読んだ。

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