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ミステリの祭典

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蝦蟇倉市事件2 
秋月涼介・北山猛邦・越谷オサム

作家 アンソロジー(出版社編)
出版日2010年02月
平均点5.33点
書評数3人

No.3 5点 江守森江
(2010/04/24 18:55登録)
このアンソロジーではなく、普通に独自の作品集で「さよなら妖精」の後日談を発表していれば、もっと高評価だっただろう。
せめて、不可能犯罪物とストーリーの反転系で1・2を纏め直し反転系の方に収録されれば据わりは良かった。
1に収録の大山誠一郎作品からキャラや不可能犯罪路線を引き継ぎ八百屋お七オチをかます村崎友、この作品を締めにしたい秋月涼介、バークリー・毒チョコのパロディな桜坂洋は企画に適していて良かった。
北山猛邦は本来の物理トリック作品の方がアンソロジーに馴染んだと思えるし、越谷オサムも反転系に収録するべきだった。
企画意図と収録バランスが滅茶苦茶な為に、水準レベルな作品を揃えながら纏まりを欠き据わりが悪く残念(上手く収録してたら各編1点以上加点可能)
※楽しむ為の読者側の工夫
1・2を続けて読み1シリーズと捉え、脳内で収録順を入れ替えれる事を勧める。

No.2 7点 あるびれお
(2010/04/13 13:10登録)
最初の方が書いていらっしゃる通り、米澤さんの作品だけ"浮いて"いた。ただ、私の場合は「良い意味で」そう感じた。
わたしが米澤さんの作品のファンであることを差し引いても、「さよなら妖精」の後日談であることを考慮しなくても、抜きん出ていました。
だからといって、他の作品がつまらなかったわけでは決してない。確かに他の5作品のカラーが比較的近かったため、アンソロジーの1本として違和感を感じる方がいるだろう。でも、蝦蟇倉市という共通の舞台で各作家が持ち味を発揮した作品を発表するなら、逆にもっと傾向が異なる短編が散りばめられていたら良かったのに、とも感じた。

No.1 4点 kanamori
(2010/03/28 13:55登録)
競作アンソロジー第2弾。6名中4名が今まで読んだことがない作家でしたが、変化球ばかりで出来はいずれも微妙。
米澤穂信の作品は一種の暗号ミステリとも言えますが、あとがきを読むと<法と正義>がテーマらしい。一人だけ浮いてました。
なにもそのためにモンテネグロから蝦蟇倉市にその人物を持ってくる必要がないし、「さよなら妖精」の後日譚で連作ミステリを企画しているなら、このアンソロジーを利用するのはどうなんだろうと思いました。

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