home

ミステリの祭典

login
葉山宝石館の惨劇

作家 梶龍雄
出版日1989年02月
平均点6.50点
書評数4人

No.4 6点 ボナンザ
(2023/09/27 17:04登録)
後期の作品だが、全体を覆う仕掛けは相変わらず見事。

No.3 7点 makomako
(2023/08/26 07:05登録)
梶氏の作品が復刻されて、本格推理モノとして素晴らしいのに全く見逃していたことを痛感しています。続けて読んでいこう。
この作品はトリックとしてはかなりがっかりものです。犯人も何となくわかりそうですが、いろいろなひねりが入れてあり、それなりに楽しめました。
気になったのは警察の推理にちょっと難点があります。
リボルバー拳銃の薬きょうはオートマチックと違って発射されるごとに排出されないのです。薬きょうに関した推理は警察官なら絶対しないでしょう。さらにバンドラインスペシャルは1800年代のもので、サイレンサーは20世紀初めに造られたものなので、この拳銃のサイレンサーはないこととなります。まあオリジナルに作ったようなことが書いておるのでぎりぎりセーフとしましょう。
作者の作風が好きなので多少甘めの評価かもしれません。

No.2 6点 kanamori
(2011/01/11 17:44登録)
高台の隣家から宝石館で起こっていることを目撃し夏休みの日記に綴る小学生、その家庭教師の女子大生、若手とベテランの刑事コンビと、いずれも館の外部の登場人物が、それぞれの視点で推理を組み立てていく構成がユニーク。密室の謎に関してはハウダニットより、その理由(というか位置づけ)が面白いと思う。
派手な一発ネタ・トリックはないものの、通り一遍の”館ミステリ”とは違った構成の妙がありました。

No.1 7点 こう
(2009/12/06 22:14登録)
 作者の晩年にかかれた作品です。祖母の家に夏休みに長期休暇で滞在していた小学生の少年がメインキャラクターで滞在先近所の洋館(宝石館)で起こる密室殺人、そして連続殺人に発展してゆくストーリーが彼の日記と三人称を使い分けて進んでいきます。
 登場人物の会話、特に探偵役の女子大生と刑事の会話など文体は絶望的にだめですが、また動機はともかく安易に人を殺しすぎの所も好きにはなれませんが密室だけではなくその理由、真相と考えて作られた作品でした。
 実際に上手くいくかはともかくとして作品自体は楽しめました。 

4レコード表示中です 書評