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ミステリの祭典

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追想五断章

作家 米澤穂信
出版日2009年08月
平均点6.32点
書評数22人

No.2 5点 江守森江
(2009/11/07 19:01登録)
大人になりきれない主人公が居候先の古本屋でヒロインから依頼された5つの遺された断章(小説)を探す話。
その断章が過去の事件を暗示させるリドル・ストーリーで、ヒロインに遺された「結末の一行」と併せ挿入される。
リドル・ストーリーに「結末の一行」が遺されている事に違和感を感じ、早い段階で作者の狙いが察せてしまった。
更に、プロローグと合わせ過去の事件の真相にも到達した。
リドルと仕掛けミステリの融合を試みているが、このやり方だと狙いが透けるジレンマが生じる。
作者らしい主人公を突き放した筆致はリドルに合っているだけに残念。
※余談
出版後のインタビューで作者は、連載と順序を替えて加筆して仕掛けを施したと語っていた。
余計な事をしなければリドルとして良いデキだったと思うのだが・・・・・。

No.1 7点 だい様
(2009/09/07 09:44登録)
作中に出てくる五つの断章が米澤さんらしくブラックで面白い。
本筋との絡め方も巧くて楽しめました。
『儚い羊たちの祝宴』『秋期限定栗きんとん事件』同様今作も最後の一行にこだわってます。

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