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ミステリの祭典

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ソフトタッチ・オペレーション
神麻嗣子シリーズ

作家 西澤保彦
出版日2006年11月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 虫暮部
(2021/11/28 10:07登録)
 「捕食」のストーリー部分、「変奏曲〈白い密室〉」の超能力とはあまり関係ない部分の謎解き、は面白かった。
 しかしチョーモンインに“霊”は鬼門では。どこまでアリかと言う世界設定がぶれるでしょ。表題作、工夫は見られるが、こういう真相は嫌いだ。

No.1 5点 E-BANKER
(2012/03/24 00:36登録)
神麻嗣子、保科匡緒らお馴染みのメンバーが活躍する“チョーモンイン”シリーズの作品集。
既出の短編4作品+書き下ろしの中編表題作という「豪華な(?)」構成。

①「無為侵入」=「あくまでも本人の意志により住んでいる家から立ち退かせることができるのか?」という命題から入る本作。いきなりサイコキネシスやらお得意の超能力全開だが、真相は一応ロジカルなものに。
②「闇からの声」=ライトホラーっぽい作品。プロットはよくある手のものだが、単純なだけにラストの反転が鮮やかに決まった印象はある。
③「捕食」=自分が作った料理を食べた人間が必ず死ぬ(!)という宿命を背負った男・・・そこには息子に対する母親の異常な愛情と怨念があった。これは見せ方が面白い。
④「変奏曲<白い密室>」=雪の降り積もったお屋敷と殺人事件・・・そう、まさに「雪密室」を扱った正統な「本格ミステリー短編」だよな? でもこの真犯人ってどうなの? 背景についての説明が全くないって!?
⑤「ソフトタッチ・オペレーション」=ある居酒屋で呑んでる途中で急に意識を失い、気付けば核シェルターのような密閉空間に閉じ込められた3人・・・作中で岡島二人の「そして扉が閉ざされた」が引き合いに出されてますが、そこは当然西澤風の味付けがなされてるわけで・・・個人的には「そして扉が・・・」+「麦酒の家の大冒険」というような感覚だった。ただ、プロットは大味。

以上5編。
正直、あまり面白いとは思えなかった。
多分にキャラ小説のような味わいで、超能力+ロジックというのが特徴なのだろうが、中途半端という印象しか残らない。
まぁ、このシリーズが好きな方には面白いのかもしれないが・・・
本編とは関係ないが、文庫版あとがきにある作者から故・宇山日出臣さん(元講談社の名物編集者ね)宛ての回顧文が味わい深くてなかなか良い。
(③がベスト。④⑤も楽しめはするが・・・)

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