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ミステリの祭典

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札幌着23時25分
十津川警部シリーズ

作家 西村京太郎
出版日1983年11月
平均点6.00点
書評数3人

No.3 5点 まさむね
(2023/07/08 16:30登録)
 昭和時代以来の再読。航空ストで飛行機が飛ばない状況の中、重要な証人を当日中に札幌まで運ぶミッションを遂行する十津川・亀井コンビ。それを阻止しようとする暴力団顧問弁護士との知恵比べ。
 当時の東北新幹線は、大宮・盛岡間だったのですねぇ。青森までは「はつかり」、そしてまだトンネルが使えないから、青函連絡船ですか。時代の流れを感じるなぁ…。こういった懐かしさも悪くないし、サスペンスとしても悪くないです。
 一方で、大人になって読み返してみると、突っ込みどころも満載。まずは、札幌地裁の判断があり得ない。仮に陸路で運ぶとしても、もっと安全な策が容易に考えつきます。そもそも、事件に無関係の乗客を危険に巻き込まないことを第一とすべきで、「そんなことに気を遣うのなら、コレコレをしなよ…」とややイライラ。でも、それでは物語にならないし、大人気ないかぁ。うーん、もしかして、時代の流れの中で面倒なオトナになっちゃったのかな…。

No.2 6点 蟷螂の斧
(2022/06/03 17:27登録)
タイムリミットもので楽しめました。ご都合主義的な点も結構あるような気もしますが、その点は突っ込まずに、エンタメ系サスペンスと捉え、ヤクザと警察の逆転劇を楽しめば良いと思います。

No.1 7点 E-BANKER
(2009/08/27 23:04登録)
お馴染み十津川警部シリーズ。
トラベルミステリーにサスペンス要素をふんだんに加えた意欲作。
~十津川警部は、暴力団組長の殺人罪を立証する重要な証人を札幌地裁まで護送することになった。タイムリミットは深夜0時。組員たちは、悪徳弁護士・佐伯の指示に従い、証人の暗殺を狙う。折からの航空会社ストライキのため、東京から札幌まで乗り継ぎが必要になる。東北新幹線、在来線、車、チャーター機・・・追われる側となった十津川警部と佐伯の虚虚実実の攻防が始まる~

個人的には氏のいわゆる「トラベルミステリー」では一番面白い作品だという評価。
時代的には、まだ東北新幹線が大宮~盛岡間だったころ。航空機なしで東京~札幌までちょうど1日かかっていた時代です。
いつもは犯人を追い詰める側の十津川・亀井コンビが、一転、今回は暴力団グループに追われる側として追い詰められていきます。
十津川と佐伯との知恵の攻防もなかなか面白い。
札幌までの中途で何度も攻防が繰り広げられ、紙一重で困難をかわしていく・・・何ともスリリング!
まっ、いろいろと突っ込みたいところはあるのですが、まずは楽しめる作品だと思いますね。
(警視庁の組織力ってそんなもんなのか?というツッコミが聞こえてきそう・・・)

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