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ミステリの祭典

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トライアル

作家 真保裕一
出版日1998年07月
平均点6.00点
書評数4人

No.4 6点 E-BANKER
(2011/12/10 00:30登録)
公営ギャンブルに生きる人々にスポットライトを当てた短編集。
それぞれに作者の「行き届いた」取材振りが窺える気がしました。

①「逆風」=舞台は競輪(主人公の所属は立川?)。借金を重ね失踪した実兄が競輪場に姿を見せたと同時に、不審な男たちの姿が見え隠れしてきて・・・という展開。ラストは少しホロッとさせる。
②「午後の引き波」=舞台は競艇。夫婦で競艇選手という妻の方が主人公。最近、年齢のせいか結果を残せていない夫が見せる不審な行動の謎。妻の方が稼ぎがいいっていうのは、夫としてはツライよねぇ。
③「最終確定」=舞台はオート(所属は船橋)。なかなか壁を破れず、ランク下位に沈んでいる主人公にかかってくる電話の謎。頑なな父親との関係と自分自身の煮え切らないレース振り・・・なんか分かるよなぁ。
④「流れ星の夢」=舞台は競馬(JRAじゃなくて、公営川崎競馬が舞台)。新入りの厩務員が担当するクセ馬や故障馬が見違えるように変身していく謎。さて厩務員の正体は? 

以上4編。
全て公営ギャンブルが舞台だが、どちらかというと華やかな「光」の部分ではなく、燻ってたり、迷ったり、焦ってたり・・・という「影」の部分に焦点を当て、うまくまとめてある感じ。さすがにうまい作家ですよ。
(④以外は「家族」がプロットの骨子になってる)
個人的には、競馬以外はそれ程詳しくないので、特に競艇やオートの薀蓄や舞台裏はなかなか面白かった。
まぁ、サラッと読むには手軽でいい作品集でしょう。
(『参考文献』にある「ギャンブルレーサー」って、昔「某週刊モー○ング」で連載してた奴? 確かに抜群に面白かったけど・・・)

No.3 6点 江守森江
(2009/05/22 15:42登録)
ギャンブルスポーツを題材にしたミステリで各編楽しめる。
競馬は舞台が昔よく通った川崎競馬なのでとりわけ印象深い。

No.2 7点 由良小三郎
(2002/12/01 10:41登録)
短編集ですので、それぞれ、この長さで新保さんらしさがでるのは、難しいと思うわけですが、普通に楽しめる小説でした。期待は、新保さんには大ネタやってほしいわけで、まとまってはいますが、新保作品を呼んだという感じがありませんでした。

No.1 5点 フレディ
(2002/07/03 17:14登録)
競輪、競艇、オート、競馬、それぞれの世界に生きる男(女も)達をハードボイルドタッチで描いた短編集。作者がディック・フランシスに捧げるオマージュ的な作品かも?まあギャンブルはやらないし、ディック・フランシスも読んだことのない私にはイマイチでした。

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