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ミステリの祭典

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ピタゴラス豆畑に死す

作家 小峰元
出版日1974年04月
平均点4.67点
書評数3人

No.3 5点 nukkam
(2015/03/03 20:43登録)
(ネタバレなしです) 大ベストセラーとなった「アルキメデスは手を汚さない」(1973年)に次いで1974年に発表された本書は(予想通り)成功作路線を踏襲した青春推理小説でした。但し「ヤング悪漢(なじみにくい表現ですが)を描くこと」を目指したとされる「アルキメデスは手を汚さない」とは異なり、本書の学生描写は大人に対する敬意を感じない口の利き方が多少気になる程度に留まっており、しかも主役級の2人(沓野と辻本)以外はそれほど個性豊かとは言えません。その代わりユーモア交じりのやり取りが増え、謎解きプロットも(時々脇道にそれますが)前作よりは本格派推理小説らしくなっています。ただ推理はかなり強引で説得力に欠けていますが。

No.2 4点 ∠渉
(2013/12/25 00:25登録)
粗いミステリ描写が印象的な長編2作目。
でも意外と嫌いじゃない。むしろ結構好きな方。
前作とは違って若者が陽性になってたり、大人たちの思惑もあったりで、青春群像ながら前作と一味変えようという工夫が見られます。会話も小気味いい。
もうひとつピタゴラスがしっくりこないところが惜しまれる点ではあります。「アルキメデスは~」はそれなりにしっくりきてたので。
でもこの作品の決め手はやはりツチノコ。ラストなんか「人生って豆畑の周りをウロチョロしながら、いるかどうかもわからないツチノコを捜しているようなものじゃないかしら」なんて名ゼリフ?が飛び出したし。まぁこんな青春も悪くない。
あと、まだ数年前まではツチノコって実在すると思ってたなぁ、なんてことも思い出したりもして。サンタクロースはいるのでしょうかね。メリークリスマス。

No.1 5点
(2009/07/01 12:25登録)
青春推理シリーズ第2弾。ミステリとしても、ストーリーとしても『アルキメデス』と同程度ですが、登場人物の会話は軽妙で、物語全体としても軽めでユーモアに富んだ作品になっています。ただ、軽妙なやりとりでもって、面白いストーリーに花を添えているつもりなんでしょうが、アホらしさも感じられますね(笑)。また、作中の関西弁は、作者だったら得意なはずなのですが、これも変です。時代が変わればユーモアの感じ方は変わるもので、私の場合、今なら絶対ダメ、当時も許容範囲ぎりぎりだったと記憶しています。
当時、世間を騒がせていた「ツチノコ」という架空の動物が懐かしいですね。

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