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ミステリの祭典

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不安な演奏

作家 松本清張
出版日1962年01月
平均点6.00点
書評数4人

No.4 6点 あびびび
(2018/12/05 13:46登録)
客観的に見ると、わざわざ目立つ感じで死体を表に出さなくてもいいのでは?と思うのだが、それでは物語にならず、この辺の扱いが少々雑な気がした。しかし、清張節と言うか、地図を見ながら推理する楽しさ、何度も現場へ行って新しい発見をする件は緊張感を増幅させて面白い。

No.3 7点 了然和尚
(2015/09/29 18:27登録)
本格を基準として採点してますので、本作は−2点しましたが、面白さは清張作品のトップクラスでした。清張はもう何冊も読んできましたが、まだこんな傑作があったかというかんじです。本作の弱点はラブホでの盗聴(しかも普通のは飽きたので男X男希望とか言ってます)という、なんだかなあという導入にあるのかもしれませんが、殺人計画を偶然録音する環境として苦肉の索なので、堪忍してください。しかも、最後にはトリックの一部としてひらっています。展開は謎、素人の追求、旅、偶然の発見、次の死体の繰り返しですが、信用できない仲間、黒い教会、政治家、土建屋などと何かミュージシャンのベスト盤を聞くような楽しさでした。(結末のあっけなさも含めて!)
また、本作では語り手の宮脇平助(すけべに読める)、久間監督(太っている、フェル博士級の天才かと思ったが後半行方不明で残念)、葉山良太(食わせもの)の探偵役3名が面白い味を出していて、パスティーシュが読みたいキャラ達でした。

No.2 7点 斎藤警部
(2015/07/07 06:39登録)
エロテープと来たか。。 悪くない権力筋覗き見サスペンス。 愉しく読める一冊。

ところでこの本の題名を見るといつもファン・ダリエンソというアルゼンチンタンゴのアーティストを連想します。その人の演奏が不安定なのではなく、語呂が似ているので。 

No.1 4点
(2009/05/24 14:37登録)
隠し録りしたテープに録音されていた殺人計画の相談から新潟県での溺死体発見、それが大規模な選挙違反事件にからんでくるあたり、松本清張らしい旅情も盛り込んで引き込まれる展開ですが、後半から解決に向けてが、どうにもすっきりしなくなります。
死体発送の理由があいまいなままだったり、溺死者の出身地設定があまりにご都合主義だったりという論理的な不満も含め、犯人・被害者の側から見た全体の筋道がごちゃごちゃしていて明確でないのです。
事件を追う雑誌編集者に協力する巨匠映画監督から途中でバトン・タッチした男の行動もただ不快なだけで、結局その交代のため最後が駆け足になってしまっただけに終わっていると思います。

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