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ミステリの祭典

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都市のトパーズ

作家 島田荘司
出版日1990年09月
平均点3.00点
書評数3人

No.3 3点 E-BANKER
(2010/06/20 15:53登録)
これはミステリーというよりは「島田流ブラック・ファンタジー」とでも言ったらいいんでしょうか?
「日本人」という人種がどれだけ低級で、「東京」という都市がどれだけ「ヒドイ」のかが、登場人物を通して延々と語られます。
まぁ、現代日本人の「アイデンティティーの欠如」は多くの日本人が共通して感じていることでしょうし、島田氏の辛らつな書き方というのも、いわば”愛情の裏返し”なのかもしれません。
昨今の政局の混迷も嘆かわしい事態ですが、いつまでたっても第三者的目線でしかそれを見ることのできない我々国民の方により大きな問題があるのでしょう。
そんなことを考えさせてくれる作品ではありますが、やっぱり余りにも作者自身の「イズム」を押し付けられるのは読んでいてツライなぁと感じます。

No.2 3点 Tetchy
(2005/08/30 23:23登録)
島田信者の私でもちょっとこれは・・・。
独自の都市論を披瀝するあまり、小説としてのスピード感が失われてます。
あと虎はガタイが大きく、短足なので、そこがどうも東京の街を疾走するイメージと重なりませんでした。

No.1 3点 由良小三郎
(2002/12/28 14:43登録)
1990年の評論ともファンタジーともつかない作品です。主人公の言葉として、あるいは島田さんの文明批評みたいなものが、延々とかかれていますが、あまり共感できない。都会の街をトラが走るだけの話です。サローヤンとかにもそんな話ありませんでしたっけ。たぶんミステリのねた思い付かなかったので苦しいまぎれの作品じゃないかと思いました。

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