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ミステリの祭典

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おれたちはブルースしか歌わない

作家 西村京太郎
出版日1977年01月
平均点6.67点
書評数3人

No.3 6点 虫暮部
(2025/11/15 13:53登録)
 “9月23日が日曜日” なので舞台は1973年。ぴんからトリオ「女のみち」は72年なので合っているが、“グループサウンズ” なんて語はだいぶ流行遅れ。これは'73年の日本ではなく、架空の国・架空の時代の架空の青春であると考えた方が、微妙に変なセンスも許容し易い(笑)。
 簡単にポンポン殺し過ぎではあるが、ミステリ的ポイントは相応に押さえていると思う。そして、どこがどうとは言えないけれど、登場人物の血肉や息遣いによるプラス・アルファが感じられた。
 作者は当時40代半ば。書き方にズレはあっても “青春は青春” と言う的は外してないゼ。

No.2 7点 斎藤警部
(2021/11/19 18:24登録)
“おれには、それを許せそうもない。  おれたちには、やっぱり、ブルースが似合うんだな。”

「シンデレラの罠」盗作事件!(←歌の題名です) 更には私立探偵が殺されたり、犬が消えたり現れたり、恋する青年がアダな年増女に翻弄されたり、呑気に構えているとアッと言う間に連続殺人が、、、意外とジェットコースター、コロンボ(刑事)まで怪しく見えて来る堂々の展開!! 妙に身体的特徴の光る人物が二人もいるのは。。 真犯人、真相ともども隠匿の技はな~かなかに熱い! 京太郎さん、軽いタッチで油断させといて、本気で書きやがったな!(笑) 思いも寄らない人物の、物語内での化けっぷりにも、このヤング文体に紛らせといてしっかりと伏線が! いやー、真相巻き返しの術、凄かった、ナメて掛かった甲斐があった(笑)。   

著者初期(鉄に行く前)のおどけた青春ミステリ。若き日の十津川さんが出て来てギター弾きながらおどけるわけではないです。
主人公たちがブルースバンドって感じがまるでしないのと、何にしろ音楽がまったく聴こえて来ないのは、、まあミステリの面白さで許せますよ。

No.1 7点 江守森江
(2009/05/22 17:39登録)
現在ではトラベルミステリーの大御所として君臨しているが、初期にはガチガチの本格も書いていた。
作者には珍しい青春ミステリで、読者挑戦物の隠れた名作。

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