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ミステリの祭典

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旅人たちの迷路

作家 夏樹静子
出版日1984年11月
平均点5.00点
書評数3人

No.3 4点 虫暮部
(2025/10/31 13:10登録)
 第一話。“偽の手掛かり” を、“偽の手掛かりである” と推理されるよう期待して差し出す、と言うのは面白い。
 しかしその内容が “真か偽か” みたいな単純なものなので物足りない。もっと深みのある心理戦になるべきなのに……。
 そもそも、件のバッグが後から出て来たことによって “(どういう関わりかはともかくとして)その持ち主が事件に関わっている” と確定しちゃってる。犯人に都合が良いのは “あの報道は間違い、警察の勇み足だった” と言う展開だから、バッグは慌てて打ってしまった悪手なのである。

 第二話はもう最初から裏が全て見え過ぎ。

No.2 6点 測量ボ-イ
(2024/03/24 21:23登録)
中編が2作品です。

「焼きつくす」
顔のない死体のバリエーション。
まずまずの内容ですが、犯人が最後の方に
出てくるのがやや不満か?

「現場存在証明」
これは謎の設定と解決方法がユニークな佳作。
法医学的にリアリティあるのかは、僕にはわ
かりませんが。

採点は前者5点と後者7点の平均で。

No.1 5点
(2009/04/20 21:32登録)
女性刑事と嘱託医が主役の謎解き2中篇を収めた作品です。
『焼きつくす』は当然そこが問題になるだろうなというところをひねっています。犯人の設定は犯行現場との関係で納得いきますが、バッグの扱いと都合のよい偶然があまりに不自然かなと思いました。
『現場存在証明』では海外ミステリ巨匠の傑作のアイディアをひっくり返したようなトリックが使われていて、感心したのですが、この殺人方法にこのタイトルはやめてもらいたかったですね。
そう言えば、本のタイトルも内容とそぐわないと思います。
描写でなく説明になってしまっているようなところのある文章は気になりました。

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