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ミステリの祭典

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消されかけた男
チャーリー・マフィンシリーズ

作家 ブライアン・フリーマントル
出版日1979年04月
平均点8.00点
書評数4人

No.4 6点 蟷螂の斧
(2016/05/17 19:07登録)
(タイトル・男13冊目)2012版東西ベストではランク外となっています。なんとなく頷けます。スパイ物としての緊張感やスピード感に物足りなさを感じました。ラストの展開がサプライズという作品。

No.3 8点 kanamori
(2010/07/20 18:26登録)
「東西ミステリーベスト100」海外編の41位は、エスピオナージュの傑作、チャーリー・マフィンシリーズの第1作。
昨年久々に新作「片腕をなくした男」が出たから、なんと30年以上続いているシリーズだ。一時期出版がとだえ、作者自身が新潮文庫から「消されかけた男」だったが、見事復活したようでなによりです。
本書は、終盤の大どんでん返しで話題になったが、一見さえない男・チャーリーの置かれた立場が、リストラ寸前の中間管理職サラリーマンの共感を呼び、この結末に喝采を送ることになるのは当然でしょうね。

No.2 9点 こう
(2010/07/17 02:10登録)
 高校生のころリアルタイムで書店で簡単に手に入る作家の一人でした。読み始めたころはちょうど日本を舞台とした7作目の「暗殺者を愛した女」が出ていた頃ですがTetchyさん同様ですが 一作目がこれでどうやってシリーズを続けてゆくのだろうと思った覚えがあります。
 スパイ小説として非常に面白かったです。さえないはずの主人公が実はプロフェッショナルで非常にかっこいいのととにかく英国諜報部の上層部は徹底的に無能に描かれKGBの上層部は有能かつかっこよく描かれておりチャーリーに感情移入させやすくなっています。その上であの結末ですから当時はびっくりしました。今でも楽しめると思えるのはこの作品と6作目の「亡命者はモスクワをめざす」くらいですが当時はこのシリーズそのものが好きでした。

No.1 9点 Tetchy
(2009/04/12 19:46登録)
原書が刊行されたのが'77年、訳出されたのが'79年。25年も前の作品である。確かに携帯電話とかインターネットとか無い時代で、ローテクであるのは致し方ないが、この頃の小説はひたすらキャラクターとプロットの妙味で読ませている。つまり作家としての物語を作る技量が高く、本書が放つ輝きはいささかも衰えているとは思えない。

チャーリー・マフィンシリーズの第1作。この第1作を読んで、これがシリーズ物になるのかと正直驚いた。それほどびっくりする結末である。

興味深いのはニュースで報じられる政治ニュースの裏側を垣間見せてくれる事。特に各国首脳の訪問にはかなりパワー・バランスが作用しているのだという事を教えてくれた。本書ではCIAがカレーニン亡命劇に一役買うことが出来なくなりそうになると大統領の各国訪問から英国を外すように働きかけ、情報部へ圧力をかける件はなるほど、こういう駆け引きが裏に隠されているのかと感心した。

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