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ミステリの祭典

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「そして誰もいなくなった」殺人事件
サンソン&ステファノプーロス シリーズ/旧邦題『11人目の小さなインデアン』

作家 ジャックマール&セネカル
出版日1981年08月
平均点7.33点
書評数3人

No.3 7点 蟷螂の斧
(2015/09/01 17:24登録)
クリスティ氏をリスペクトした作品です。「11人目の小さなインディアン」で拝読。10人の俳優が登場するにも拘らず、登場人物表がなく、初めは戸惑いましたね(苦笑)。大胆なミスリードを駆使した作品との印象を受けました。動機がやや弱いかも・・・その点がマイナス要素です。
ちなみに「そして誰もいなくなった」のオマージュ作品の既読一覧。
①「そして誰もいなくなる」今邑彩氏
➁「そして誰かいなくなった」夏樹静子氏
③「そして二人だけになった」森博嗣氏
④「そして五人がいなくなる」はやみねかおる氏
⑤「十角館の殺人」綾辻行人氏
⑥「殺しの双曲線」西村京太郎氏
⑦「インシテミル」米澤穂信氏
 まだあるかも?・・・

No.2 5点 kanamori
(2010/08/05 17:52登録)
パリの劇場を舞台にした本格ミステリ。「11人目の小さなインディアン」の改題文庫化作品。
クリスティの名作に準じて、俳優たちが一人また一人と殺されていくサスペンスかと思ったら、開演前の楽屋にまとめて10人の死体の登場という豪快さは、さすがフランス・ミステリ。
正統派の本格編の様相はありますが、仕掛けはフェアとは言い難く、正直なところB級感が漂っていました。

No.1 10点 nukkam
(2009/04/07 15:34登録)
(ネタバレなしです) 本書が発表されたのは1977年、つまりあのアガサ・クリスティー(1890-1976)が亡くなった翌年で、クリスティーへのオマージュ作品であることは明白です。クリスティーの「そして誰もいなくなった」(1939年)のネタバレを作中で行っているのは通常ならマナー違反ですが、これほどクリスティー作品と密接な関係を持つプロットではやむを得ないと思います(当然クリスティー作品を先に読んでおくことを勧めます)。個性豊かな登場人物(変な人だらけだけど)、サスペンスの盛り上げ方、舞台描写(もともと作者は劇作家だったので劇場の雰囲気づくりは巧い)などに前作「グリュン家の犯罪」(1976年)から格段の進歩を遂げており、何よりも壮大な事件構図と白熱の推理合戦(第3部第4章が秀逸)は本格派ファンとして大いに楽しめました。動機については事前の手掛かり不足かであるなど小さい問題点もありますが大満足の面白さです。

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