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ミステリの祭典

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二度のお別れ
大阪府警シリーズ

作家 黒川博行
出版日1984年09月
平均点6.00点
書評数4人

No.4 5点 虫暮部
(2020/02/15 12:19登録)
 あまり好みのタイプではない。が、その割に面白く読めた。が、真相は“やっぱりそうか”である。
 逃げ切った犯人がしかし全然幸せになっていない、と言う部分をサラッと流していて勿体無い。そこはもっとじっくり読みたかった。構成上難しいか。

No.3 6点
(2017/12/29 10:17登録)
黒川氏のデビュー作。
サントリーミステリー大賞第1回の佳作賞を受賞しています。

黒マメの大阪弁のやりとりや、黒田(私)の上司村橋に対する心情表現は、本作の軽妙・お笑い要素の根幹をなすものです。
そんなお笑い度が注目されがちですが、本作の最大の特徴はむしろサプライズな真相とトリックです。短くもうまく作り込んでいます。
解説によれば、著者は若いころミステリーにかなりはまっていたとのことで、なるほどと納得。

それにタイトルが良い。だいたいこのシリーズは、洒落たネーミングが多いのも特徴です。
大阪弁モノ、近年映画化された「後妻業」、そして著者の風貌からは泥臭いイメージしか浮かんできませんが、本書を読めばミステリー的な繊細な印象を受けることもたしかです。
個人的には後者のほうが好みですが、前者を前面に出したほうが売れるのでしょうね。

No.2 6点 江守森江
(2010/10/12 05:36登録)
スカパー!のドラマ視聴に平行して地上波も再放送まで拾いながら観ている現状では、当分おさらい読書が関の山な感じ。
※途中脱線
ミステリードラマで叙述トリックの映像版に出くわし最初は想定外だったので小説以上に「アッ!」と驚いた(ヒッチコック劇場の轢き逃げ絡みな某作品)が、大量に観ると結構ある事に別の驚きを感じる。
※脱線終了
テレ東で黒マメシリーズとしてドラマ化された作品が昨日再放送された(前もって図書館で借りた)のでおさらいした。
ミステリとしてもナカナカ頑張っていて結末でタイトルの意味が判明する辺りは好きだ。
一方で、原作は好きになれない関西弁、ドラマはテレ東なので関西弁ではないが大地康雄の暑苦しい演技とどちらも私的な減点材料があった。
黒川作品は原作設定をなぶり倒したドラマ「吉永誠一」シリーズが一番楽しい。

No.1 7点 ZAto
(2009/10/17 13:36登録)
黒マメコンビの丁々発止のやりとりが笑いを誘い、
ややカルカチュアライズされた上役の描写と合わせてユーモアミステリーの雰囲気を醸しているのだが、
黒川本人は真面目に本格推理小説の線を狙っていたのではないか。
少なくとも誘拐のトリックと意外な犯人という落としどころは十分に練られたものである。
今読むとデビュー作ゆえの発酵度の薄さはご勘弁か。

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