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ミステリの祭典

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ルール

作家 古処誠二
出版日2002年04月
平均点8.33点
書評数3人

No.3 9点 itokin
(2008/06/20 19:31登録)
ミステリーとは言い難いが圧倒的な迫力で迫ってくる、これが本当の戦争だ、戦争がいかに愚かであるか、又、個々の人間が体制に刃向かっても無力であるか、怒りに満ちた結末で表されている。今の若い人に読んでほしい一編です。

No.2 9点 るてなん
(2004/04/04 08:31登録)
第二次大戦終了間際の補給も何も無いフィリピン戦線。そこで、鳴神中尉は弾薬輸送を命じられる。絶対的な飢餓の中、兵達は南方春菊、昆虫、鬼シダの芽、木の根、食える物は何でも食べながら絶望的な任務を遂行する。その弾薬輸送の真の意味は・・・鳴神中尉以下の兵達の運命は・・・
現代人が、戦争における究極の状況をどう描くのか、興味を持って読み始めましたが・・・まさに一気読み。寸暇を惜しんでひたすらページをめくり続けました。この作品、「このミステリーがすごい」・・・等のランキングに入っていないのが不思議です。まあ当時の人間の心境を描く時の視点が現代人になってしまっているというのが不満と言えば言えますが。古処誠二、この作家はいけますね!

No.1 7点 しゃん
(2002/10/03 22:28登録)

 真面目な分体で書かれた、読みやすいエンタテイメント。しかし扱われているのは飢餓と人間の尊厳。
 敗戦の決定した行軍、最早自分のやっていることの意義も見出せない状況、絶対的な飢餓の中で、人はどうやって人たりえるのか?
 なかなかに読みやすく、すらすらと読み進められた。しかし、最後のミステリ的な要素は私には余り面白く感じられなかった。その点が残念。

 しかし、この作者は、いわゆる日本礼賛主義的な要素があるのだろうか? いや、あるからどうだとは言わないし、この作品が良い作品であることには間違いないのだけれど。

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