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ミステリの祭典

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刺青白書
柚木草平シリーズ

作家 樋口有介
出版日2000年04月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 5点 虫暮部
(2020/10/27 14:49登録)
 事件に自ら関わって行く鈴女の行動は、関係者に波風を立てるだけの迷惑な自己満足になりかねないものだったと思う。好奇心と呼ぶにも足りない根拠不明の衝動でそういう動きを取る彼女は、非常に思慮の足りない、どうも信頼しきれない視点人物だな~と思いつつ読んだところ、結局何の伏線にもなっていなかった。鈴女の過去が事件の遠因でそれが行動の理由だった、みたいなのを期待したんだけど。
 メタ的な視点で見て、鈴女は最後まで作品世界の中で浮いたままだ。それが作者の意図……ってわけじゃないだろうなぁ。

No.1 8点 makomako
(2012/04/12 21:56登録)
 なかなかよかった。主人公のスズメ君はいじめられていたことすら気がつかなかったという極めてのんびりしたキャラクターなのだが、だんだん読んでいくとこの娘とてもかわいらしい。作者もこんな女の子がいたらいつでも嫁にもらってやるなどとのたまっているが、同感ですなあ。
 柚木シリーズではあるが、いつもの憂鬱さが少なく名探偵ぶりを発揮しているのもよろしい。
 ストーリーはなかなか興味深く、私なんぞは登場する若者たちはとても考えられない(同年の作者はいつも私の考えられないような世界を描いてくれて非常に楽しい)のだが、こういった世界もあるのだろう。
 終わりは実に気分が良い。
 樋口先生へ。スズメ君の再度の登場はちょっと無理ですか?ぜひ読みたいのですが。

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