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ミステリの祭典

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荒野の絞首人

作家 ルース・レンデル
出版日1985年08月
平均点3.00点
書評数4人

No.4 5点 虫暮部
(2020/05/29 12:01登録)
 舞台となる“原野”について具体的にイメージしづらい。物理的要素だけでなく、住民の生活との心理的な距離感とか。日本に於ける山林とは違う位置付けだよね?
 良く判らない点が幾つか。第三の犠牲者について、加害者は死体遺棄と髪切りを何故まとめてせずに徒歩で引き返す二度手間をかけたのか(13章)。その行動について警察は何を根拠にそこまで細かく推測出来たのか(17章)。18章の刑事の訪問は何が目的なのか。証拠隠滅を促したとしか思えないのだが。

No.3 3点 HORNET
(2019/10/22 10:06登録)
 自分だけの秘密の領域を隠し持っている主人公、というスタイルの作品がこの頃のレンデルの特徴とのこと。本作もそういう類に入るのだが、なぜか頭に入って来難かった。特に前半の、主人公・スティーヴンの荒野に対する偏愛は冗長で、物語が動き出すまでが退屈な感じがした。
 本作は一応、最後に前半の事件の真犯人も明かされる謎解きミステリにもなっていて、私としては意外性も感じられたが、閉じた世界の物語であるがゆえに犯人候補の範囲が狭く「わかっていた」という読者が多いのもうなずける気がする。

No.2 3点 mini
(2015/05/04 09:55登録)
このサイトに集う方々ならお聞及びになっている方も居られると思うが、一昨日2日にルース・レンデルが亡くなった
昨年末には同期のライヴァルであったP・D・ジェイムズが亡くなっており、私は今年初めに早川ミスマガの特集に合わせて追悼書評をしたばかりだった
ジェイムズはかなりな高齢だったので仕方ないかなと思ったが、レンデルはジェイムズより10歳も若く、英国の女流2大巨頭の相次ぐ逝去のニュースに英国現代ミステリーの1つの終焉を感じる、慎んで御冥福をお祈り致します

いずれミスマガで追悼特集組むかもしれないが、現在は隔月刊化しちゃったし、ジェイムズと違ってレンデルの翻訳の中心は一部の早川ポケミスや創元文庫で刊行された作を除けば角川文庫が中心だったので小特集程度になるかも知れない

さて私の追悼書評の第1弾は評価の低い作からで申し訳無いけど「荒野の絞首人」である、ミスマガが特集やった場合の便乗書評に採点の低い作を充てては申し訳ないからねえ
「荒野の絞首人」は当サイトでのTetchyさんの低い採点も成る程という感じで、これはたしかに駄作でしょうね
真相がミエミエで他の作に比べてレンデルにしては話の展開やセンスに精彩を欠いている
例の森事典では、”ウェクスフォードものと非シリーズものとに分かれる傾向のあるレンデル・ファンのどちらにもアピールしよう”、と好意的に評価しているが、いやそれはないな
本格派としてもサスペンス小説として見ても、どちらも中途半端な気がする
訳文についても小泉喜美子訳らしい文意がスッと頭に入ってこない悪訳で、小泉訳については大抵が直訳調でこの作に限ったことではなく、私は従来の小泉訳の評価は過大評価だとずっと思っていた
ただミステリーの舞台設定に関して館ものが嫌いでアウトドア派な私としては、まさにアウトドアな舞台設定という点を考慮しておまけの+2点です(苦笑)

No.1 1点 Tetchy
(2009/09/19 23:55登録)
これははっきり云って駄作でしょう。金を出して読むまでの無いミステリだった。
この物語のキーとなるリン殺害の真相とリップの正体は予想通りで、全体的に地味なトーンで興趣をそそられなかった。説得力に全く欠けていた。
さらに、翻訳のぎこちなさ。小泉喜美子の訳とは思えないほどの直訳文体だった。日本語になっていなくて理解に苦しむ文が多々あり、非常に不愉快だった。

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