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ミステリの祭典

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密林の骨
スケルトン探偵ギデオン・オリヴァーシリーズ

作家 アーロン・エルキンズ
出版日2008年07月
平均点6.33点
書評数3人

No.3 5点 nukkam
(2016/03/27 15:11登録)
(ネタバレなしです) 2007年発表のギデオン・オリヴァー教授シリーズ第14作の本格派推理小説で、南米アマゾンが舞台です。登場人物の間で多少の揉め事はありますが緊張感が高まるほどでもなく、なかなか事件が起きない展開はやや冗長さを感じます。それでもすらすら読ませる筆力はさすがですが。船上の場面が多いのが本書の特徴ですが、そのためかシリーズの特色である骨の分析シーンは無理やり織り込まれたという印象を受けました。

No.2 6点 E-BANKER
(2012/07/31 21:19登録)
大好評「スケルトン探偵シリーズ」の13作目。
今回の舞台は、南米アマゾンのジャングル。まさに「ジャングル・クルーズ」に参加したギデオンたち一行に災厄が降りかかることに・・・

~アマゾン河を旅する格安ツアーに参加したギデオンだが、同乗者は奇妙な人間ばかりだった。不穏な雰囲気の漂う民族植物学研究者一行、秘密を持つ船長、出自不明のガイド。やがて事件が勃発する。岸の方から槍が飛来し、船内に突き刺さったのだ。そしてその穂先の基部に巻かれていたのは・・・さらに接岸した場所で不思議な穴の開いた骨が発見される。一片の骨から名推理を展開するスケルトン探偵ギデオンが密林の闇に挑む~

安定した面白さ。ある意味「様式美」とさえ感じる。
本作は、骨をもとにした推理云々は付け足しみたいなもので、ジャングルそのものが主役のような扱い。
首狩り族や毒矢を使う部族が今の世の中に存在しているのかどうか、残念ながらその辺りの知識に疎いためよく分からないのだが、こんな未開の地が地球上に存在するというだけで、何だかワクワクする。(ちと怖いが・・・)
まっ、終盤以降の「骨」に関する推理については、今回も見事なものです。まさか「牛の乳搾り」と骨が関係してくるなんてね・・・

でも、それ以外はちょっと見るべき所がなかった。
事件の構図自体分かりやすすぎたという気もするし、謎自体の魅力が薄いのが痛い。
(地図を見ればすぐに分かるトリックというのもレベルとしてどうか?)

ということで、本格ミステリーというよりは、ジャングルツアー参加者を巡るサスペンスを楽しむというのが本作へのスタンスでしょう。
因みに本作の原題は「Little Tiny Teeth」。“小さな歯”ということだが、これはピラニアを表しているのだろう。
(暑さが苦手の私としては、こういう場所へはちょっと行けないなぁ・・・)

No.1 8点 Tetchy
(2008/11/03 22:47登録)
まさに安定した面白さ!
今回の舞台は最後の秘境とも云われるアマゾン河。
普通我々が暮らしている世界からは想像のできない気候、自然が次々と登場し、読み手を退屈させない。

私自身、南米のある国に出張で行った事があり、その時のこととダブる内容が多々あり、いつも以上に楽しめた。
乱暴な云い方をすれば、事件など起こらず、このままギデオン一行のアマゾン河クルージングの様子をずっと語って欲しいくらいだった。

このシリーズの売りである骨の鑑定も出てくるが、全体の7割を終えたところで、ようやくの登場で、今回はあまりインパクトはない。
またある人物が遠く離れたところに現れるトリックは、はっきりいって小学生の頃に本に出てきたクイズそのままだった。

でもそんなミステリの部分よりも物語としてこのシリーズは実に面白い。次作も必ず読むぞ!

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