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ミステリの祭典

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大当りをあてろ
バーサ・クール&ドナルド・ラム

作家 A・A・フェア
出版日1960年08月
平均点6.33点
書評数3人

No.3 5点 nukkam
(2021/01/26 21:12登録)
(ネタバレなしです) 1941年発表のバーサ・クール&ドナルド・ラムシリーズ第4作の本格派推理小説です。シリーズ次作の「倍額保険」(1941年)ではバーサとドナルドの関係に大きな変化が訪れるのですが本書でも後半にドナルドの思い切った行動にびっくりです。このことが「倍額保険」の伏線になったんでしょうか?さて本筋に話を戻しますと、ドナルドは手掛かりを求めてラス・ヴェガスのカジノに乗り込みます。そこでトラブルに巻き込まれるのですが、何とスロット・マシーンのいかさまトリックが詳細に説明されます。まあ現代のマシ-ンとは造りが違うでしょうから今では通用しないかもしれませんが。プロットは実に起伏に富んでいて、前述のドナルドの行動、砂漠でのキャンプ、ドナルドのボクシングトレーニング、そしてバーサに訪れるロマンス(?!)と謎解きを忘れてしまいそうです。実際、犯人当て推理説明がかなり強引なんですけど。とはいえドラマチックな展開に加えて人情味もあるストーリーをなかなか楽しめました。

No.2 8点 弾十六
(2018/11/01 21:58登録)
クール&ラム第4話 1941年6月出版 ハヤカワ文庫で読了。
病み上がりのバーサはダイエットに励み、ラム君はボクシング熱に浮かされ探偵を辞め野外生活、星空を眺めて眠ります。作者が大好きなボクシングと砂漠生活が生き生きと描かれて幸福感が溢れます。スロットマシン講座もあり。妙に心に残る作品で、シリーズ中で一番好きです。

No.1 6点 kanamori
(2016/08/02 18:14登録)
実業家ホワイトウェルから跡取り息子の婚約者コーラが失踪した案件を引き受けたクール所長とラム君は、手掛かりの手紙の差出人ヘレンが住むラス・ヴェガスにやってきた。ところが、その女性ヘレンはカジノのスロット・マシンを不正操作して稼ぐ詐欺師で、やがてコンビを組む男がアパートの一室で射殺死体で見つかる---------。

大女バーサ・クールと小男ドナルド・ラムの凸凹探偵コンビ、シリーズの第4弾。
このシリーズは、探偵事務所の所長が巨漢だったり、女性にモテモテの若い助手の一人称で構成されているところなど、レックス・スタウトのネロ・ウルフシリーズといくつか重なる部分があるのですが、謎を解くのが助手(次作で共同経営者になるらしい)のラム君なのがいちばん異なる点でしょうか。今回もバーサは調査の金勘定に勤しみ ”ぼく”ことラム君がひとりで奮闘しています。
カジノの従業員でボクサーくずれのルーイがいい味を出していて、ラム君とヘレンの三人組がネバダ州の砂漠で野宿する場面は、本筋とさほど関係しないのですが、なぜか印象に残ります。ふたりの”その後”が示唆されるエピローグにはニヤリとさせられた。
謎解き面では、その人物の行動に不自然さを感じていたので、真相はある程度見当はついていたのですが、ラム君のある行為の理由は意外で、これはいかにもガードナーらしいやり方でした。

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