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ミステリの祭典

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半身

作家 サラ・ウォーターズ
出版日2003年05月
平均点7.00点
書評数3人

No.3 7点 蟷螂の斧
(2014/11/29 21:31登録)
(東西ベスト82位)オカルト風味のサスペンス。著者がどんな結末に導こうとしているのか?最初に感じる謎でしたね・・・。その謎を最後まで持ってゆく筆さばきが、巧みであると言わざるを得ません。主人公の日記(心情)が主体で描かれ、相手となる女囚(霊媒)の現在の心の内が描かれないのは何ともいえない不安感を醸し出します。最初に感じた謎は、それほど驚きのある真相ではないのですが、幻想と現実のギャップの描き方がうまいのかもしれません。

No.2 8点 touko
(2010/01/04 22:25登録)
犯罪者とその被害者の物語ではなく、ビクトリア朝時代の英国が舞台の抑圧された環境にある「女たち」が、それぞれに形は違えど、ポストモダン的な意味での「外部」を狂おしく切なく求める物語……ではないかと私は読みました。
こんなフェミニズム色の強い話なのに、弱者からの告発のような俗っぽい社会派にありがちな視点は超克しているのがよかったです。前近代的な舞台設定とは裏腹に、明らかに21世紀の文学であるという新しさは感じました。

気づいてくれと言わんばかりに冒頭からあからさまなヒントがちりばめられているので、ミステリファンならフーダニット、ハウダニット、ホワイダニットまで丸わかりの恐れがある上に、感傷過多で少女趣味な老嬢(と訳文にはありましたが、日本では通りのいいオールドミスと訳せばいいのに……)の独白が主ですので、読む人を選びそうではありますが、「未来世紀ブラジル」を連想させたダークなエンディングは個人的には好み。

No.1 6点 itokin
(2009/10/19 21:21登録)
いや参ったなあ、いろんな賞を取っているのと、次の作品の荊の城が良かったので読んでみたが、なにしろ疲れた、中世の牢獄の話で、霊が出てきてじめじめして私には合わん。構成、表現力は、流石と思うが最後のひねりと盛り上げもいまいち。

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