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ミステリの祭典

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レイクサイド・ストーリー
ヴィク

作家 サラ・パレツキー
出版日1986年03月
平均点6.50点
書評数4人

No.4 6点 レッドキング
(2024/01/30 18:10登録)
サラ・パレツキー第二作。自身の情念から、元アイスホッケー選手の従兄の不審死を捜査するヒロイン探偵。五大湖舞台に、穀物会社や運輸船会社の経営者関係者家族を巻き込んだ悪事が暴かれて行く。真相は実に「まっとう」で、捜査は愚直にして緻密。これにアリバイトリックの一つも付いてたら、まるでクロフツ・・と、最後の最後に一気にアクションアップしてエンド。北欧神話オーディンかバイキング王の如き客演キャラがよい。※点数オマケ(したくなる)

No.3 7点
(2014/04/06 21:59登録)
サラ・パレツキー第2作の原題は”Deadlock”。普通の訳だと「行き詰まり」で、ピンときませんが、半ば過ぎで起こるド派手な事件の舞台である五大湖で大型船を通すための閘門(Lock)の意も持っています。その閘門がしばらくは使えなくなるほどの事件ですから、Dead の言葉にも納得。
今まで読んだこの作者の4冊の中では、そんな大事件の他にも何件もの殺人が連続する最もスケールの大きい話です。ただし最初のうちは、ヴィクのいとこの事故死として片付けられようとしていた死について、そのいとこのマンションが荒らされ警備員が殺される事件が起こったことで疑念が生じる、というかなり地味なすべり出しです。そこから派手に盛り上げていくプロットは、充分楽しめました。
ただ、連続する事件の関連を否定してすべてを偶然で片付けようとするボビー・マロリー警部補にだけは、今回は登場を控えてもらいたかったですね。

No.2 6点 あびびび
(2013/11/19 23:47登録)
女探偵・ヴィク。いとこの有名アイスホッケー選手が怪我で引退し、財産は十分にあったものの、北米五大湖の海運業界に第二の人生を求めたが、岸壁から落ちてスクリューに巻き込まれる事故で死んだ。

アスリートのいとこが、そんな簡単に足を踏み外すはずはない…とヴィクは調査を開始する。犯人は想定内でほとんど内容も読めたが、五大湖の壮大さ、それに作者のち密な情景描写には驚かされた。

No.1 7点 mini
(2010/09/20 09:39登録)
明後日22日にMARUZENとジュンク堂渋谷店でパレツキー久々の来日記念のトーク&サイン会が行なわれる予定
翌23日は早大大隈講堂でのペンクラブ主催のフォーラムで記念講演があるらしい

正直言ってシリーズ第1作「サマータイム・ブルース」はあまり面白くなかった
フェミニズム全開に筆を取られ過ぎて、事件性がつまらなかったからね
しかし第2作「レイクサイド・ストーリー」はなかなか力作で、事件にも人物描写にも深みが増し格段に進歩した
本拠地がシカゴなので水運は五大湖が舞台だが、海運業を巡る事件を追ってミシガン湖から他の湖へと舞台が展開
五大湖って各湖で水位が違うので落差調整用水門付きの運河水路で繋がれているんだな
「サマータイム・ブルース」で物足りなさをを感じた人も、この第2作は満足出来る出来映えだろう
ただヴィクが怪我の為、得意の武道を発揮する場面が無かったのは残念
ところで新作ではカバー画が代わったんだな、ラノベ風になっちゃったのかよ
やはり江口寿史のが良かったなぁ

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