home

ミステリの祭典

login
幽霊の死
キャンピオン氏

作家 マージェリー・アリンガム
出版日1954年02月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 7点
(2022/06/01 20:50登録)
タイトルの意味がよくわからない小説です。事件の大元となると言ってもいい高名な画家は既に死んで何年にもなりますが、その幽霊が出るとかいうこともありません。比喩的な意味ではあるのでしょうが、あいまいで、作中で「幽霊」という言葉が出てくるわけでもありません。
最初のうちはフーダニットな感じなのですが、第2の殺人が起こった直後、全体の半分過ぎあたりで、キャムピオン氏(こう表記されています)は犯人が誰であるか悟ります。その後間もなく死因がはっきりした段階で、彼はオーツ警部に自分の考え(推理というほど確たるものではない)を語るのです。で、それからは動機が問題になり、その動機も判明すると、最後はキャムピオン氏と犯人との対決というサスペンス調になる、ちょっと変わった構成です。一貫性がないと言う人もいるかもしれませんが、個人的には気に入りました。

No.1 4点 kanamori
(2010/04/16 22:03登録)
素人探偵アルバート・キャンピオン、シリーズ第6作。
残念ながらアリンガムとの相性はあまりよくありません。本作と次の「判事への花束」も、いちおう代表作ともいわれる作品だと思いますが、訳文が古いせいもあるかもしれませんが、探偵の人物造形がいまいちよく分からないため、物語に入り込めませんでした。最近訳出された作品も読んでみましたが、本格ミステリじゃなく、古いスリラー&サスペンスの様相で、これはまったく守備範囲外。英国4大古典女流ミステリ作家の一人というのは、現在での評価では、ちょっとどうなんでしょうか。

2レコード表示中です 書評