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ミステリの祭典

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闇色のソプラノ

作家 北森鴻
出版日1998年09月
平均点6.50点
書評数4人

No.4 8点 makomako
(2010/05/05 16:26登録)
 二転三転する複雑なストーリー。こんなに込み入った話だと読み難くなってしまうところをさらさらと読ませる。作者の能力が高いのだろう。北森鴻は短編の名手として知られるが長編を書くと時々こんな複雑なお話を作り出す。単に推理小説としても優秀なだけでなく詩情もあふれてすばらしい。好みの小説です。
 減点は消化器外科教授の下に精神科医がいるという大学医学部では絶対ありえない設定と最後がちょっとつらいこと。

No.3 5点 しゃん
(2002/11/17 10:56登録)
前半から中盤までが話に入りにくかった。遠誉野市、しゃぼろん、樹来たか子の死にまつわる事柄、風景と題された文章、弓沢の殺人事件。謎が多すぎるために何処に重点を置いて読めばいいのか、どの謎がメインなのか少し困惑してしまう。遠誉野市という不思議な都市についても理解しにくかった。
 しかしながらたくさんの謎の関連が明らかにされる後半にはそれまでの不満を解消させられた。なんを言えば犯人についてもっと描写が欲しかった気がすること。あれでは完全には納得できない。
 しかし読み応えがあったのは前半で提出された謎が解明された後。思わずごくりとつばを飲み込んだ

No.2 8点 じゃすう
(2002/11/16 21:02登録)
中盤から終盤にかけ、登場人物すべてに対し油断のならない印象が徐々に膨らんでいき、それがとても巧く展開に組み込まれていてドキドキしました。正直、真犯人が逮捕された後でもまだ安心できなかったです。多重視点の構成力に脱帽。

No.1 5点 ao
(2002/06/28 13:18登録)
波紋のように広がる謎の提示は巧いのですが、”神なき地・遠誉野”という設定があまり生かされていません。ラストも二転三転する割には、呆気にとられる解答(良い意味ではなく)であるし、北森鴻のバランスの良さがあまり感じられない作品でした。

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