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ミステリの祭典

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九月が謎×謎修学旅行で暗号解読
私立霧舎学園ミステリ白書シリーズ

作家 霧舎巧
出版日2005年09月
平均点5.25点
書評数4人

No.4 5点 505
(2015/10/22 21:02登録)
小ネタ含めて多いに詰め込んだミステリ。本格・新本格ファンに向けたマニアックなものばかりで、ストーリーとは違う部分でついつい頬が緩む。これまでのシリーズ通り、オマケを駆使したメタなトリックは健在であり、最初から〝あからさま〟に提示されているのは、このシリーズの読者なら驚かないだろうが、ここまで大胆に表現されているとは。

今までの刊行された本とは違って、ページ数は一番多く、暗号解読に惜しみなく力が注がれている。暗号そのものには、独創性があるが、やはり特定の知識が無いと解読できないものであり、この辺りは人によって出来不出来が分かれるだろうか。

2つの場所で同じような暗号が、同時進行で描かれているのが本書の特徴であるが、視点の移動が多く散らかっている印象を受ける。ミスディレクション自体は効いているのに関わらず、雑多なためにやや〝勢いに誤魔化された〟という感覚は捨てきれず。作中で使い回されたネタやトリックを再度使うことや『木の葉を隠すなら森の中』をモチーフにすることで、ミステリとしての部分に厚みを持たせている。

『探偵VS犯人』の構図自体は、些か展開が早急な気がしなくもないが、今までのシリーズ作品よりも見応えがあり、犯人が機転を利かせることで、探偵の切れ味がより際立つ構成となっている。3つの謎をリンクさせた力技は評価すべき点であるにしても、ネタがネタなだけにより技巧的に昇華で来たのでは、と思わなくもない質であった。

No.3 5点 ボナンザ
(2014/12/05 22:01登録)
全体として良くできている。
ただ、叙述トリックは狙いすぎですぐわかる。

No.2 6点 テレキャス
(2010/07/21 10:14登録)
霧舎学園シリーズで今のところ一番良い出来だと思う。
江守さんが書いているようにシリーズを読んでる人がより騙される手法が取られてるいますが、案外これから読んでも通用するかもなんて思います。

余談ですがいくらミステリを読んでもこの手のトリックに引っかかる自分が情けなくなります。
今年だけで6、7回はやられてしまいました(笑)

No.1 5点 江守森江
(2009/05/24 07:05登録)
※要注意!
いきなりネタバレします。
開かずの扉シリーズを未読だと効果が薄く引っ掛かりづらいメイントリックだから、作者の作品を発表順に読む事を前提にしたら少ない読者をより限定し残念。
修学旅行の舞台が京都で新本格ファンには嬉しい。

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