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ミステリの祭典

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スラム・ダンク・マーダー その他
更科ニッキシリーズ

作家 平石貴樹
出版日1997年02月
平均点5.67点
書評数3人

No.3 5点 nukkam
(2017/08/24 05:36登録)
(ネタバレなしです) 中編3作とエピローグを収めて1997年に発表された本書は更科ニッキシリーズとしては「誰もがポオを知っている」(1985年)以来となるものです。この間には新本格派推理小説のブームが起こっており、作者も刺激を受けたのでしょうか?3作全てに「読者への挑戦状」が導入されており論理的推理による解決を試みているところはエラリー・クイーン風と言えなくはありませんが、「誰の指紋か知ってるもん」での容疑者の誰のでもない指紋が殺人現場に残されていた真相はアガサ・クリスティーの某作品のトリックを連想しますし、「スラム・ダンク・マーダー」の毒針殺人のトリックを巡って様々な可能性を検討しているのはクリスティーの「雲をつかむ死」(1935年)が頭に浮かびました。人物の描き分けがうまくないという弱点は初期クイーンに通じるものがありますけど(笑)。3作全てに登場する車椅子の女性弁護士ヤマザキ千鶴はニッキにひけをとらないエキセントリックぶりが印象的でした。エピローグで明かされる「三重底」はなかなかの衝撃ですが同時に後味の悪さも感じます。

No.2 5点 まさむね
(2014/01/24 21:21登録)
 読者への挑戦状つきの短編(短めの中編とも言えるかな)3本+エピローグで構成。
 まず,探偵役「更科ニッキ」を含めて登場人物がどうにも「立っていない」印象を受けました。
 同じくニッキが登場した「だれもがポオを~」は,アメリカが舞台であり,敢えて翻訳風に書かれていたこともあって,あまり気にならなかったのですが…この作品は…。
 トリック自体は,1話目がちょっと期待はずれだったものの,2話目と3話目はまずまずといったところ。ちなみに,真相を言い当てることは,当初から諦めてました。
 実は個人的に最も印象に残りそうなのがエピローグでして,これが良いことなのか悪いことなのか,何とも微妙です。

No.1 7点 江守森江
(2009/05/22 07:37登録)
前2作でお馴染み?のニッキが探偵役の連作短編集。
3話全てに読者挑戦付き。
次作から探偵役を務める弁護士が全編で絡んでくる。
エピローグは、この出版社の連作らしい構成。
この作者はミステリは本格ド真ん中作品しか書かない。
寡作なのが残念。

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