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ミステリの祭典

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皮膚の下の頭蓋骨
コ―デリア・グレイシリーズ

作家 P・D・ジェイムズ
出版日1983年10月
平均点6.25点
書評数4人

No.4 7点 レッドキング
(2023/12/10 23:00登録)
舞台は孤島の館。古典観劇会に集まる人々。猟色家の女優、夫の将官貴族、ピアニストの義理の息子、大富豪の館主、元女教師の従妹、付人の女、演劇評論家、館の執事夫妻、そしてヒロインの女探偵:コーデリア・グレイ。コーデリアシリーズ第二弾・ていっても2作のみだが。女優に送られ続ける「脅迫詩文」に備え、夫の老貴族に身辺警護に雇われた若き女探偵が出会う、孤島の館の殺人。絵に描いた様な本格設定だが、そこはドロシー・ジェイムズ、見どころは容疑者達の人間描写。普通の「島もの」なら、周りの人間が殺されて行き、己に迫る恐怖サスペンスを描くところ、「ここにいる誰かが殺人者であるという人間存在への絶望感そのもの」が濃密に語られる。「女には向かない職業」同様、ラストにハラハラ展開のサービスも付いてる。

No.3 4点 文生
(2020/08/30 18:54登録)
『女には向かない職業』に続く女探偵コーデリアシリーズ第2弾。
人々が集められた孤島で殺人事件が起きるという展開で、クローズドサークルを現代風に料理するという趣向には大いに興味がそそられました。しかし、心理描写や風景描写が過剰に多く、やたらと冗長なのが気になるところです。その割に真相が特に驚くべきものでもないためにどうしても肩透かしを覚えてしまいます。試みとしては買いますが、全体的には『そして誰もいなくなった』を3倍に水増しした印象で、作品としてはイマイチという感が拭えません。

No.2 5点 mic
(2014/03/22 11:37登録)
過剰な状況説明・心理描写が多く感じられた。そのため読むの
がなかなか進まず、少々くたびれてしまった。あの事件設定で
あの長さは長過ぎるなあ。文学性が高いといえばそれまでだが。
題はかなり魅力があったが、内容はそれほどでもなく、それに
前回のコーデリア登場作品読んでいるのが前提のような書き方
で、読んでなかった当方はピンと来ない箇所がいたる所にあっ
た。

No.1 9点 Tetchy
(2009/01/29 22:39登録)
女探偵コーデリア・グレイ2作目は、1作目とは打って変わって、孤島に聳えるお城が舞台。つまりクローズト・サークル物。
そこで開かれる人気女優による古典劇、様々な思惑を秘めた招待客とゴシック風味溢れる本格ミステリ。

いやあ、堪能した。
もう当然のことながら、登場人物全てが女優に悪意を抱いているのがネチッこい^^
こういう趣向だと、誰が犯人でも驚きが薄れるのだが、ある重要な証拠をコーデリアが掴んだ瞬間、思わず声を挙げてしまった。
これほどまで悪意に満ちた作品なのだが、コーデリアが島から脱出した瞬間、自分も悪意から解放された気分になり、読後感は爽やかだ。

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