匣の中 |
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作家 | 乾くるみ |
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出版日 | 1998年08月 |
平均点 | 6.00点 |
書評数 | 3人 |
No.3 | 5点 | メルカトル | |
(2013/02/05 21:54登録) 再読です。 ネタバレするかも。 名作『匣の中の失楽』とは似て非なるもの。 構成は似たところがあるが、それだけ、比較するのも憚れるまがい物といった感じである。 道中の衒学趣味は果たして必要なのか、かなり疑問に思われるし、私にとってはただただ鬱陶しいだけであった。 そして何より、結局誰が誰を殺害したのか、全ては藪の中で判然としないのは、こういった作品ではやむを得ないのであろうか。 最後には作者まで登場し、メタ的展開を見せるのには辟易とさせられる。これでは何でもありで、アンチ・ミステリどころではなくなってしまう。 読後感はひたすらもやもやしていて、いかにもすっきりしない。かなり気分が沈みがちな後味の悪さを覚える結末。 一体「揚げ物、メシの残り食うかや」このセリフは何だったのだろうか。 |
No.2 | 5点 | 蟷螂の斧 | |
(2012/12/06 08:18登録) 「匣の中の失楽」のオマージュ作品。解説によれば、前者の類似品(著者談)らしい。前半の構成はほとんど似通っている。後半は作中作「匣の中から匣の外へ」の意味合いに関する暗合と暗号に移行し、このへんは十分楽しめた。本作のミソは、最終章のSF的発想であると思われるが、効果は如何にといったところ。この手の作品(アンチ)はどうも疲労感が残ってしまいます(笑)。 |
No.1 | 8点 | いけお | |
(2009/10/04 21:49登録) 全体の構成や試みは面白いが偉大なオマージュ元には及ばない。 その分全ての説明がきちんと欲しかったが、かなり楽しめた。 |