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ミステリの祭典

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深泥丘奇談

作家 綾辻行人
出版日2008年02月
平均点5.20点
書評数5人

No.5 6点 メルカトル
(2023/02/05 22:47登録)
ミステリ作家の「私」が住まう“もうひとつの京都”の裏側に潜み、ひそかに蠢動しつづける秘密めいたものたち。古い病室の壁に、丘の向こうの鉄路に、長びく雨の日に、送り火の夜に…面妖にして魅惑的な怪異の数々が「私」の(そして読者の)日常を侵蝕し、見慣れた風景を一変させる。―『Another』の著者が贈る、無類の怪談小説集!
『BOOK』データベースより。

続編を先に読んでいて、最初の短編『顔』の途中であれ?もしかしてもう読んだやつかと思って即検索してみましたが、未読でした。それは例の片目だけをうぐいす色の眼帯をしている医者が出てきたからだったんですが、この深泥丘病院の主人公私の主治医、いつも出て来るのね。それで勘違いしてしまいました。まあそれにしても、その医者や推理作家の「私」、左手首に包帯を巻いている看護師など、いずれもどこかしら怪しげな人々ばかり登場しますね。そういった雰囲気は好きですが。

鉄道マニアに隠れた人気スポットらしき場所で起こる惨劇?を描いた『丘の向こう』、降り続く雨に「良くない」と妻にも言われ体調を崩す「私」が深泥丘病院を訪れ、怪しい会話からラストの衝撃に繋がる『ながびく雨』まで読んだ時は7点は堅いと思ったものです。しかも次の『悪霊憑き』は本短編集の白眉とも言える傑作。途中で何かのアンソロジーで既読だったのに気付きましたが、ほとんど忘れていて逆に凄く楽しめましたし、これはイケると感じましたが、それ以降やや下降気味で結局6点に落ち着きました。
しかし、怪談話としてはそれなりのレベルで後半残念でしたが、好感触です。

No.4 4点 風桜青紫
(2015/12/29 04:07登録)
「こういう情景を書きたい」って感じで描いてったんだろうか。語り手がなんか陰気(アーヤは関口巽似らしいし)なのに、一部の登場人物が妙にハッスルしていてちょっと笑える。『サムザムシ』処方してほしいです。

No.3 6点 simo10
(2012/06/05 21:45登録)
タイトルからしてホラーものっぽい、だけど綾辻作品だからミステリ要素もあるかも、と思いましたが、純粋なホラー小説というか怪奇小説でした。
内容としては深泥丘(みどろがおか)に住む主人公の日常とその土地にまつわる不可思議な現象、慣習を描くというもので全10話の連作短編集です。
主人公は怪奇現象であると認識する→妻を含めた周りの人物達にとっては当たり前のことらしい→主人公も慣らされていく、というのが大まかなパターンですがこれが何とも言えず、不気味な世界をまろやかに仕立て上げているような気がします。
各作品の中では「悪霊憑き」がお気に入りです。
本書は自分にとっては忙しい中での一服の清涼剤の様な位置付けと言えそうです。読み易さも抜群で、続編の文庫化が待ち遠しいです。ミステリではありませんが特別に6点つけちゃいます。
ちなみに眼球綺譚の怪ヒロイン咲谷(由衣?)が本書でも登場、活躍するのでファンの方は必読です。

No.2 5点 kanamori
(2010/08/25 20:13登録)
幻想的怪奇譚の連作短編集。
京都を思わせる架空の街を背景に、小説家の「私」が遭遇する不可思議な事象の数々を、私小説風に淡々と描いています。
日常の謎ならぬ”日常の怪奇”という感じで、岡本綺堂などの昔の怪奇譚の趣があるといえば褒めすぎかもしれませんが、作者の別の一面を見せてくれている異色作だと思います。まさか奥さんの代作ではないでしょうね?

No.1 5点 VOLKS
(2008/07/30 21:28登録)
ホラー小説(連作短編)なので、ミステリィ書評ではなく読み物としての感想を述べるとすれば、とにかく不思議な世界観。
なんとも気持ちの悪い感じ。
好みの問題なのだろうけれど・・・。

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